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フランスベッドが取り組む、認知症向け赤ちゃん型コミュニケーションロボット - (page 2)

坂本純子 (編集部)2017年05月17日 15時30分
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安全・安心に“楽しみ”をプラス--日本の介護を変える小さな力に

 たあたんの発案者は、NPO法人日本ダイバージョナルセラピー協会 理事長の芹澤隆子氏だ。「人形(たあたん)を開発したのが2001年。だれもドールセラピーという言葉を知らないときだった。いち早く注目してくれたのがフランスベッド。HCR(国際福祉機器展)に出展したものの、主催社から『人形は介護用品ではないので展示してもらっては困る』といわれ、やむなく撤去したというエピソードがあった。しかし、今では欠かせないものになっている。看護師さんからは『認知症患者に余計な刺激を与えないでほしい』と言われたこともある。日本の介護を変えた小さな力になったのではないか」(芹澤氏)と感慨深く振り返った。

NPO法人日本ダイバージョナルセラピー協会 理事長の芹澤隆子氏。「たあたん」の由来は自身の名前から
NPO法人日本ダイバージョナルセラピー協会 理事長の芹澤隆子氏。「たあたん」の由来は自身の名前から

 ダイバージョナルセラピーという言葉は日本ではまだ聞き慣れないが、オーストラリアで生まれた専門療法という。オーストラリアとニュージーランドでは日本でいう国家資格のような専門性のある資格があり、加齢や障害などにより、心身の活性が低下してしまった人を支援する。一人一人の個性や嗜好(しこう)性に合わせたアクティビティを通して、楽しさや幸福感といったポジティブな感情を引き出し、自らの存在感と自身を取り戻せるようにサポートするコーディネートする。

ダイバージョナルセラピー(DT)で新たなアプローチをすることで、楽しみを生み出す
ダイバージョナルセラピー(DT)で新たなアプローチをすることで、楽しみを生み出す

 芹沢氏は「レクリエーションは元気な人しかできない。園芸、アート、アロマ、いろいろなセラピーがあるが、ひとつひとつに専門性があり、別々に活動されていて、施設の中で個人にどうアジャストするか、コーディネートするか。そういう人が日本にはいない」と説明する。

施設にいる多くの高齢者は、刺激とコミュニケーションが不足しがちだ
施設にいる多くの高齢者は、刺激とコミュニケーションが不足しがちだ

 「これまで叫ばれてきたのは、安全・安心の介護。そのために、『楽しみは我慢してね』というのがこれまでの介護だった。認知症になると、いろいろな刺激が遠ざけられる。しかし、楽しいことがなければ生きていても価値がないという世代になっていく。管理された介護では対応しきれなくなるのでは。その人が思う存分楽しむためのサポートが求められてきている」と語った。

 なお、初代たあたんは、これまでに2万体を販売しており、今後も併売する方針だ。泣き笑い たあたんは、年間1500体の販売を目指す。

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