Googleはメッセージアプリ「Google Allo」で、自撮り写真をアニメのようなオリジナルステッカーに変換できる新機能をリリースした。
Googleのニューラルネットワークとアーティストの作品を組み合わせることで、自撮り写真を基にカスタマイズ可能なステッカーを自動で生成する仕組みだ。
Googleは、コンピュータビジョンを使って個々のピクセルを分析するよりも、人物の顔の特徴をうまく識別できるアルゴリズムを探して、照明の当たり方による制約を回避できるようにした。新しいニューラルネットワークを構築するのではなく、既存の汎用コンピュータビジョンによるニューラルネットワークを使って実験することで、これらのネットワークの中から、これまで一度もそうした訓練を受けていないにもかかわらず、顔の特徴に注目するのが得意な特定のニューロンを明らかにしたのだ。
また、アーティストに依頼して髪型などさまざまな特徴を提供してもらい、カスタマイズできるようにした。その後、人間の評価者の助けを借りて、イラストを使い、さまざまな髪型と自撮り写真が合致するようネットワークに教え込んだ。人間の評価者は、自撮り写真と比較した結果の品質も判断した。
Googleは「不気味の谷現象」の問題も回避したかった。この現象は、人間そっくりに見えるが完全に同じわけではない人間のコピーを目にしたときに人々が抱く拒絶反応のことだ。リアルなアニメーションの世界では、こういった例が多々ある。
GoogleでAlloの表現担当クリエイティブディレクターを務めるJennifer Daniel氏は、「人物の見た目を正確にコピーしようとするのではなく、絵文字やステッカーなど、解像度の低いモデルを追及し、現実を模倣するよりも表現のルールを打ち破るイメージを返すことで、チームとして表情豊かな表現を開拓できる」と説明している。
カスタマイズのオプションには、髪型、肌の色、鼻の形などがある。Googleは、さまざまな身体的特徴に対応できるようにすることで、ユーザーが人種、年齢、男性らしさ、女性らしさ、中性的外観を表現できるよう努めている。
Alloのステッカー機能は、Googleによる実験的プロジェクト「AutoDraw」に続くものだ。AutoDrawは、人間のアーティストと人工知能(AI)を組み合わせて手描きイラストの作成を支援するウェブアプリだ。
GoogleのAlloチームは引き続きアーティストらと協力して、今後もパーソナライズされたステッカーセットをリリースしていく。
この機能はAndroid版のAlloアプリで提供されており、iOS版でも近いうちに対応する予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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