楽天は5月11日、2017年度第1四半期(2017年1月~3月)連結決算を発表した。売上高は2120億7700万円で、前年同期比で17.6%増加し、営業利益は404億1600万円と同73.2%の大幅増加となった。また、Non-GAAP営業利益は438億5100万円(同61.8%増)で、楽天が出資しているシェアリングエコノミーサービス「Lyft」と「Careem」の評価益を除いたNon-GAAP営業利益は277億円(同2.2%増)となった。
「楽天市場」や「楽天トラベル」、フリマアプリ「ラクマ」などを手がけるインターネットサービスセグメントでは、売上高が1490億8600万円(同18.7%増)、セグメント利益は265億4800万円(同2.2倍増)となった。
楽天市場では、ポイント施策を一本化した「楽天スーパーポイントアッププログラム」を展開。施策開始から1年を過ぎ、注文件数や注文ユニーク数が増加した。これにより、マーケットプレイスの手数料収入が堅調に推移したほか、2016年に買収した日用品を扱う爽快ドラッグや、楽天ブックス、ケンコーコムなど直販部門も貢献した。
また、CtoC事業では、「ラクマ」「フリル」の流通総額が、前者が前年同期比で2.6倍、後者では買収時と比較して3.1倍に増加。国内EC事業自体は、営業利益が179億円(前年同期比5.3%減)と減少傾向は続くものの、これはラクマとフリルへの投資によるものであり、楽天市場自体はプラスに転じていると楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は説明した。
同社では、ベンチャー企業への投資に力を入れており、これまで1268億円を投資。この投資額に対して634億円のリターンがあり、特にLyftやCareemなどのライドシェアリング領域では、233億円のリターンが発生している。このほか、楽天が30%弱の株式を保有しているシンガポールのコマースアプリ「Carousell」も東南アジア圏で好調で、このほかFinTech周りでも投資を進めていくという。
楽天では、日本郵便と提携し、出店者向けの配送サービスを提供。また、昨今問題になっている再配達の削減に向けても協力する。三木谷氏は、「今回の提携により、安定的かつ採算の取れる物流を店舗とともに実現していく。AIを含めた物流戦略により、効率的なマーケットプレイスを実現する」とした。
「楽天カード」「楽天銀行」「楽天保険」などを取り扱うFinTechセグメントでは、売上高が779億6000万円(前年同期比で9.0%増)、セグメント利益では、170億3200万円(同8.7%増)と堅調に推移した。
楽天カードは引き続き好調で、売上高は370億9900万円と前年同期比14.9%増、営業利益も78億3200万円で同10.3%増と推移。ショッピング取扱高やリボ残高が伸びた。また、楽天銀行もローン残高の伸びにともなう貸出金利息収益の増加や費用の効率化などで、売上高、営業利益ともに増加した。一方、楽天証券は市況変動のあおりを受けて、売上高114億円(同5.9%減)、営業利益が36億円(同23.8%減)と落ち込んだ。
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