パナソニックは5月10日、シンガポール国立大学と共同で、世界最高水準の顔照合技術を開発したと発表した。ディープラーニングと誤りを抑制する類似度計算手法を組み合わせた独自のアルゴリズムにより、サングラスやマスクなど一部顔が隠れているような状態でも顔の照合ができる。
従来、顔照合技術には、左右45度以上の顔向きが付いた場合、屋外で照明の明暗が強い場合、サングラス・マスクなど一部顔が隠れている場合に、顔照合に失敗するという課題があったとのこと。パナソニックのコネクティッドソリューションズ社イノベーションセンターとパナソニックR&Dセンターシンガポールは、2015年度からシンガポール国立大学と共同で顔照合技術の性能改善に着手。ディープラーニングと呼ばれる機械学習手法のネットワーク構造を改良し、真横向きや一部顔が隠れていても個人を判別できる有効な特徴を抽出したという。
さらに、撮影環境に合わせて顔照合の類似度計算を最適化する技術を組み合わせることで、従来の技術と比較して、顔照合性能を最大5倍まで改善させることに成功したという。
パナソニックでは今後、この技術を商用化し、映像セキュリティや本人確認などへ展開し、公共施設の監視、入場管理、出入国管理などのシーンにおいて活用していきたいとしている。
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