画像技術を手がけるYI TechnologyがGoogleの「Jump」プラットフォームを利用した360度仮想現実(VR)カメラリグを発表したのは、ほぼ1年前のことだった。そしてその成果とも言えるVRカメラ「YI HALO」が、ラスベガスで開催中の「NAB Show」で米国時間4月24日に発表された。
HALOは単なる1台のカメラではない。同社の4Kアクションカメラ17台で構成された製品だ。Jump対応のカメラリグ製品としては、16台のカメラで構成されたGoProの「Odyssey」があるが、YI Technologyは真上を向いたカメラを1台追加し、シームレスで没入感あふれる空の映像を撮影できるようにすることで、文字通りOdysseyの1つ上を行った。これほど多くのカメラと100分間の連続撮影を可能にする着脱式バッテリを搭載しているにもかかわらず、総重量はわずか3.4kgだという。
HALOにはリアルタイムモニタリングシステムが組み込まれているため、バッテリの残量が少なくなったり、microSDカードの容量が一杯に近くなったりすると検知して警告してくれる。また、カメラのうち1台が故障しても、予備のカメラにすばやく交換してそのカメラを他のカメラと同期できる。ファームウェアのアップデートも、クリック1回で17台のカメラすべてに対して適用可能だ。すべての設定は「Android」デバイスからワイヤレスに制御でき、リアルタイムでプレビューを見ることもできる。
Googleの「Jump Assembler」を使えば、すべてのカメラから動画を取り出し、シームレスに合成する作業が数時間で完了する。合成後の360度動画の解像度は最大8192x8192ピクセルで、フレームレートは30fpsまたは25fpsだ。ただし、さらに高速のフレームレートが必要な場合は、解像度を5760x5760ピクセル(5.8K)に落とすことで、フレームレートを60fpsにできる。
価格は発表されなかったが、YIとGoogleによれば、2017年の夏頃に販売を開始できる見込みだという。またJump Startプログラムを通じて、選ばれた100以上の映像制作者に対して無償で1年間にわたりVRカメラを貸し出し、「Jump Assembler」へのアクセスも提供する。初回の募集期間は4月24日から5月22日まで。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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