だが、パーソナルテクノロジの次なる進化となると、何らかの形で視野に重ねて表示するもの以外、筆者には思いつかない。
スマートグラスが足がかりとなって、スマートコンタクトレンズや、さらには思考を読み取る技術が登場するだろう。Facebookは4月、思考の読み取り技術の開発にすでに取り組んでいることを発表した(Elon Musk氏も同様の技術について語っている)。
もちろん、スマートフォンがすっかり廃れることはないだろう。古い技術は絶滅するのではなく、ニッチを見つけて化石化するだけだ。
これに最も近い例がPCだ。導入が急速に進んで飽和状態に至り、停滞が長く続いた後、最後にイノベーションをひと花咲かせてから、穏やかなニッチに落ち着く。今後5年から10年をかけて、スマートフォンも同じ道をたどることだろう。スマートフォンはまだ何十年か使われるはずだ。いまだにポケットベルを使っている人がいるように。だが、テクノロジ業界はすでに、スマートフォンの先を見据えている。
ここで問題になることがある。VRのような未来のテクノロジはすべて、ましてセンサで思考を読み取るという概念は間違いなく、プライバシー、テクノロジの正しい利用、社会への影響に関して、重大な問題を提起するということだ。
こうした問題は、スマートフォン時代にすでに起きている。ユーザーの行き先を追跡するのは、どこまでを適切とみなすのか。人と人が直接向かい合うより、スマートフォンを操作する時間の方が長ければ、社会にどんな影響があるのか。
それでも、スマートグラスや、さらには思考を読み取る技術によって、人とテクノロジの関係がいっそう緊密になり、舵取りが難しくなったときには、私たちは複雑なこのスマートフォン時代をある意味で懐かしく振り返るのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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