富士通とグリッドは4月18日、富士通のAI(人工知能)技術「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」(Zinrai)と、グリッドの機械学習/深層学習フレームワーク「ReNom(リノーム)」を組み合わせたAIサービスの共同開発に向けて協業することで合意したと発表した。
富士通は、30年以上にわたって蓄積してきたAIに関する知見・技術を「Zinrai」として体系化。顧客のAI活用を支援するプラットフォーム「FUJITSU AI Solution Zinraiプラットフォームサービス」として提供するとともに、優れたAI技術を持つ企業とのパートナーシップに基づく、エコシステムの拡大に取り組んでいる。
グリッドのReNomは、深層学習アルゴリズムや最適化アルゴリズムや生成モデルなどの実用性の高いさまざまなアルゴリズムをライブラリ(機能部品群)として備えたAI開発のためのフレームワークだ。
複雑なプログラミングをせずに、必要とするライブラリを組み合わせるだけで容易にAIを構築できるため、目的ごとにAIを一から構築する場合に比べ、構築期間を4割以上短縮できるという。
両社は今回の合意に基づき、4月より顧客のAIを活用したシステムの構築におけるReNomの活用を開始する。さらに、富士通の持つZinraiとグリッドのReNomを組み合わせた新たなサービスを共同開発し、クラウドサービスとオンプレミスで提供するFUJITSU AI Solution Zinraiプラットフォームサービスの一部として富士通が提供する。
また、同協業による相互のビジネス拡大を目指し、商談の共同推進やAIに関する知見、ノウハウの共有に向けた積極的な人材交流も検討。
両社は今後、富士通の国内最大規模の顧客基盤やAIを含むICTの総合力とグリッドが持つ機械学習/深層学習に関する技術やノウハウを組み合わせた多彩なサービスの提供を通じ、製造業や流通業をはじめとするさまざまな分野の顧客の業務変革、新規ビジネスの創出に貢献するとしている。
なお同協業は、富士通がオープンイノベーションの取り組みの一環として、富士通の事業部門とベンチャー企業とのマッチングの機会を提供する「MetaArc(メタアーク)ベンチャープログラム」の第3期における成果の1つとなる。
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