Facebookは、高齢男性の射殺現場を撮影した一連の動画が、同ソーシャルネットワーク上で配信されてしまったことを受け、「対策を強化する」ことを約束した。
ソーシャルネットワーク大手の同社は米国時間4月17日、同社の基準に違反する動画などのコンテンツをユーザーが報告できるように、同社の「報告フロー」を見直すと発表した。そのような動画が一切共有されることのないように、人工知能(AI)などの技術の活用も検討するという。
37歳のSteve Stephens容疑者は16日、殺人予告と殺人そのものの動画を投稿した。CBS Newsによると、警察の発表では同容疑者が「Facebook Live」で殺人の様子を配信したとされていたという。クリーブランド警察は同容疑者を全米で指名手配している。
Facebookは同社サイトで配信され、ユーザーが共有およびコメントできるように公開される不快なコンテンツに対処しており、身の毛もよだつ今回の一連の動画は、そのようなコンテンツのうちの1件にすぎない。同社はライブ動画が、ユーザーを互いに近づけるための手段となることを望んでいるが、自殺、レイプ、殺人を撮影した多数の動画が同サイト上に投稿されるという、予想外の陰湿な結果が生じている。「Black Lives Matter」(黒人の命は重要という意味)の動きにおいて重要な役割を演じた2件の動画が投稿された際には、このコンテンツの取り扱いを決定する立場にあるFacebookの役割が疑問視された。
Facebookは、今回の殺人を撮影した動画に関する最初の報告を受けた23分以内に容疑者のアカウントを無効にしたと述べ、どのような種類の報告を受けた場合でも2時間後には当該アカウントを無効にするとした。
「しかし、対策をさらに強化する必要がある」と、グローバルオペレーション担当バイスプレジデントを務めるJustin Osofsky氏はブログ記事に記した。
同社によると、殺人の動画に関する最初の報告を受けたときには、投稿から1時間45分以上が既に経過しており、最初の動画に関する報告はまったくなかったという。同社が報告を受けたのは、ライブ配信が終了した後の3本目のFacebook Live動画だけだったという。
Facebookによると、同社では数千人体制で、毎週数百万件もの項目を確認しているという。「当社のコミュニティーの安全性に対して深刻な意味合いを持つ報告を優先し、その確認作業をさらに迅速化するための対策に取り組んでいる」と同氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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