米連邦通信委員会(FCC)は米国時間4月13日、198億ドル規模の周波数帯オークションの落札企業を発表した。FCCによると、T-Mobileが80億ドルを投じて、最も多くのライセンスを取得したという。2位のDish Networkは62億ドル、3位のComcastは17億ドルを投じた。 Verizonはこのオークションへの参加を前もって明言していたが、入札しなかったとFCCは述べた。
この周波数帯(音声やデータ、動画をテレビや携帯電話に送信するのに使用される無線周波数帯)は、自社のワイヤレスサービスの強化や拡大を検討している全ての企業にとって、極めて重要だ。今回のオークションでは、600MHz帯の周波数帯が販売された。低周波の600MHz帯は、長い距離をカバーしたり、屋内の受信可能範囲を改善したりするのに最適だ。T-Mobileはこの周波数帯の利用を2017年中に開始することを既に約束済み。
T-Mobileの最高経営責任者(CEO)を務めるJohn Legere氏は、「この周波数帯を手に入れたら、『Un-carrier』(脱キャリア)と真の競争をあらゆる場所のワイヤレス顧客にもたらす準備が整う。ワイヤレス市場では、多くの顧客に真の選択の自由が全く与えられてこなかった。市場を寡占している2社(AT&TとVerizon)が状況は以前の方が厳しかったと考えていたのだとしたら、これからの展開を楽しみにしていてほしい」と述べた。
放送用周波数帯のインセンティブオークションは、FCCにとってこれまでで最も複雑かつ野心的なオークションの1つだ。2016年に始まったこのオークションは、主に2つの段階で構成される。2016年に実施されたいわゆるリバースオークションでは、テレビ局が使わなくなった無線周波数帯を譲渡した。その後、政府がいわゆるフォワードオークションで、その周波数帯をワイヤレスプロバイダーに販売した。
FCCは84MHzの無線周波数帯について、テレビ局各社に計105億ドルを支払うと述べた。
周波数帯は、「ワイヤレス業界の活力源」と考えられている。なぜなら、データやそのほかのモバイルサービスを提供するには、それらの無線電波が必要だからだ。しかし、それは有限のリソースであり、米政府によって大部分が管理されている。
AT&TとVerizonは、2008年に行われた前回の低周波数帯オークションで大きな勝利を収めた後、低周波の700MHz周波数帯で自社の4G LTEネットワークの基盤を構築してきた。700MHzもかつてテレビの放送に使われていた周波数帯だ。
このFCCのオークションには、計62の応札者が参加した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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