米連邦通信委員会(FCC)の決定によって、超高速な第5世代(5G)携帯電話ネットワークが実現に少し近づいた。
FCCは米国時間7月14日、投票を実施し、5Gネットワークに使用する周波数帯の開放を決定した。FCCは6月、ワイヤレス業界の技術革新を促進する手段として、同周波数帯の開放に関する提案を発表していた。
この周波数帯は、今日のネットワークで使用されている電波よりはるかに周波数が高く、最も高速な家庭用ブロードバンドサービスをも上回る超高速ネットワークの重要な基盤を提供する。広範な5Gネットワークは2020年まで実現しないと専門家の多くは考えているが、VerizonとAT&Tは限定的なサービスを2017年までに提供することを目指して、既にテストを開始している。
5Gネットワークはユーザーのワイヤレス体験を大幅に向上させ、仮想現実アプリケーションの実行や超高解像度動画のストリーミングを円滑に行うことを可能にするだろう。さらに、ユーザーの周りにある無数の端末に安定的なワイヤレス接続を提供するだろう。通信キャリアのテストでは、5Gの通信速度が現行の4Gネットワークの10〜100倍であることが確認されている。そのため、例えば、テレビアニメ「ザ・シンプソンズ」の全エピソード(600話以上)を約30分でダウンロードすることが可能だ。
FCCの会長を務めるTom Wheeler氏は声明で、「5Gの世界では、あらゆるモノのインターネットが完全に実現されるだろう。接続可能なあらゆるモノが接続される。最も重要なのは、5Gによって、今は想像も付かないようなキラーアプリケーションが可能になることだ」と述べた。
今回の動きにより、米国はこの種の周波数帯を開放する最初の国家となった。韓国と日本も5Gネットワークの実現に向けて、積極的に動いている。
今回の動きを賞賛した企業および団体には、Verizonやワイヤレス業界団体のCTIA、米電気通信工業会(Telecommunications Industry Associations:TIA)などが含まれる。
Verizonのゼネラルカウンセル兼パブリックポリシー担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるCraig Silliman氏は、「FCCが14日、何千MHzもの高周波数帯の開放を決定したことは、米国における5Gの未来の極めて重要な要素になるだろう」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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