米国iRobotは4月11日、日本法人アイロボットジャパン合同会社を創業し、日本市場でのビジネスを本格的に開始すると発表した。日本市場でのビジネスを本格展開するにあたり、戦略説明会を開催した。
日本においては、セールス・オンデマンドが2004年からiRobot製品の日本総代理店として販売を手がけてきた。2016年には出荷販売台数が200万台を突破するなど、長きに渡る展開により、多くの家庭に浸透しつつある。そうした中、同社とiRobotは2016年11月、アイロボット製品の販売事業をアイロボットが買収することで合意したと発表していた。
なぜこのタイミングで日本法人を設立したのか。iRobot CEO 兼 共同設立者のコリン・アングル氏は「長年に渡って他国でも事業展開をしてきたが、規模が小さく、適切な投資を行えるスケールもなかったため、代理店に依存して販売する役割を担ってもらってきた。しかし、iRobotが事業として成長し、それと同時に十分なリソースや時間も得られるようになってきた。米国ベースの企業で、総代理店を通じて事業を行うところから、真のグローバル企業になる時がきた。事業が成熟し、規模が拡大してきた」と理由を明かした。
iRobotは2016年、主力事業の1つだった国防安全保障事業を売却。家庭用の掃除ロボットやコネクテッドホームといった分野に注力する方針へとシフトしている。
なお、アイロボットジャパンは、海外拠点としては、iRobot UK、iRobot HK、iRobot Chinaに次ぐ4拠点目となる。英国と香港はディストリビューターをコントロールする会社であり、iRobotが直接販売まで行う会社としては、中国と日本のみになる。また、中国ではオンライン販売のみで、一般の小売販売も含めた大規模な展開は、海外拠点としては最大規模としている。
アングル氏は、「世界でナンバーワンの家庭用ロボットカンパニーを目指している」と説明する。米国でルンバを発売した2002年頃を振り返り、「ロボットと言っても手足がないので信じてもらえなかったが、ロボットでどのように人々の生活を変えられるのかを考えてきた。消費者の声に耳を傾けて開発しており、私たちが忙しいとき、代わりに掃除をしてくれるものとして提供する」とし、ロボットによるスマートホームの実現も見据えた今後の展開について語った。
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