2018年スタートの4K、8K衛星試験放送開始--採用された“左旋”とは

 一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、衛星放送の左旋による4K試験放送を4月1日に開始。それにあわせ4月6日に、開局説明会を開催した。

 衛星放送は現在、右旋と呼ばれる進行方向に向かって右回りの円偏波を使って伝送している。しかし、帯域に空きがなく4K、8K放送の開始に合わせて、新たな伝送路として左旋を開拓。日本では初の採用になるという。


衛星放送の「右旋」と「左旋」とは

 試験放送は4月1日にスタート。東京都江東区にあるスカパー東京メディアセンターの送信アンテナを使い、同じくメディアセンター内にある受信チューナを用いて、テレビに出力している。

 一般視聴者向けの受信、視聴環境は用意しておらず、現時点で視聴できるのはメディアセンター内のみ。受信チューナは3台用意しているが、うち2台がメディアセンター内にあるという。


送信アンテナ

スカパー東京メディアセンター内にある受信チューナ。テレビに出ているのが受信番組

 試験放送は11~17時の間実施し、スカパーJSATが提供する4Kコンテンツを放送。取材した4月5日の段階では大変スムーズに行われているという。試験放送の実施期間は実用放送の開始まで。

 実用放送は2018年12月にスタート。すでに右旋(BS)で4K放送6チャンネル、左旋(BS/110度CS)で4K放送12チャンネル、8K放送1チャンネルの放送が決定しており、合計で19チャンネル(4K放送18チャンネル、8K放送1チャンネル)になる予定だ。

 視聴するには、右左旋共用アンテナと4K、8Kチューナ内蔵テレビが必要になり、現在発売されている4Kチューナ内蔵テレビでは受信できない。また、混合器、ブースター、分配器、テレビ端子も左旋対応に交換する必要があるとのこと。すでに右左旋共用アンテナはスカパーからスカパー!マルチアンテナ「SP-SHV100D」が発売済みだ。なお、4K、8Kの実用放送に対応したチューナをテレビと接続する際、テレビ側のHDMIポートが「HDCP 2.2」と4K60Hzに対応している必要がある。

2018年に開始する4K、8K放送を受信するには右左旋共用アンテナと対応した受信チューナが必要になる
2018年に開始する4K、8K放送を受信するには右左旋共用アンテナと対応した受信チューナが必要になる

 今回の試験放送は、受信チューナなどの機器の開発、受信、伝送システムの試験、検証などに活用していくことが目的。また、右左旋共用アンテナや対応チューナなど機器のリプレースを促進するための周知と環境整備を進めるという。


対応する受信チューナは今後テレビに内蔵されてくるとA-PUBは考えている

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