アジアで急成長するネット広告ベンチャー「AdAsia Holdings」--十河CEOに聞く初年度の成果 - (page 2)

ーー調達した資金を活用して計画している「AIの活用」について教えてください。

 現在提供しているメディアバイイングプラットフォーム「AdAsia Digital Platform」や、前出の「CastingAsia」にAIやディープラーニングの技術を活用した機能を付加していきます。

現在の「CastingAsia」の管理画面。ここでの運用がAIで自動化される
現在の「CastingAsia」の管理画面。ここでの運用がAIで自動化される

 たとえば、AdAsia Digital Platformを利用する広告主企業が、広告キャンペーンのROIを実施前に予測し、それを踏まえてメディア・プランニングを最適化する機能や、キャンペーン実施中もROIを常に最適化しながら運用を自動化できる機能などを検討しています。CastingAsiaにおいても、キャンペーンの目的に合った最適なインフルエンサーの選定や実施内容の企画までを、AIで自動化できればと考えています。

ーー今後は400名体制へと拡大するそうですが、どのような人員の配置を考えていますか。

 特に急成長するタイ、インドネシア、ベトナムの拠点を拡大していく方針。また、プロダクト開発体制を強化するため、ベトナム・ホーチミンに開発拠点を新設し、現地の優秀なエンジニアをどんどん採用していきます。さらに、中国、日本、香港、フィリピン、マレーシア、インド、ロシアなどの未進出の国や都市でも拠点を開設し、人材の採用を進めていきます。

2017年1月にシンガポールで開催した社員総会での集合写真
2017年1月にシンガポールで開催した社員総会での集合写真

ーー逆輸入的に日本市場へと進出するわけですが、どのように戦っていきますか。

 競合企業は多いですが、AIを活用したマーケティングプラットフォーム市場は未開拓かと思います。そうした新市場は、今後もネット広告の分野において生まれてくると思いますので、一足先に仕掛けて市場を取っていきたいです。

 また、弊社の各海外拠点のネットワークを活かし、日本から海外、海外から日本へのクロスボーダーでのマーケティング支援も積極的に売り込んでいきます。日本のデジタルマーケティング業界で、弊社ほど他国展開を実施し、ローカライズをサポートできる企業はないと考えています。

ーー最後に、日本市場での目標を聞かせてください。

 2017年内に日本国内で顧客企業を200社獲得、社員数30名体制の構築を目指します。将来的にはリクルートやサイバーエージェントなど、日本を代表する広告会社と肩を並べられるように精進します。

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