不動産業界の“慣例”に切り込む査定サービス「HAYAGAI」--最短3日で売買成立

 仲介業者がいくつも入ることによって時間がかかる。複数の業者にマージンが発生するために買値が高くなり、売値が安くなる――不動産売買につきまとっていた問題を、不動産の売買から賃貸、管理、仲介までを一手に手がけるFan'sが新サービス「HAYAGAI」で解決しようとしている。

 HAYAGAIは2月にスタートした、ワンルームマンションの買い取り査定サービス。通常、短くても1カ月を要したマンションの売却を、最短3日で実現するスピードが売りだ。短期間に売買が完了する秘密は、ネットサービスの徹底した活用とFan'sが持つ幅広い情報網だ。ウェブサイトでは、マンション名や家賃を入力するだけで、売値価格を表示。その先は専門スタッフとチャットでやりとりすることで、物件買い取りの詳細を詰められる仕組みだ。

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Fan's 企画本部 HAYAGAIプロダクトオーナー 永井章志氏

 「査定や商談、買い取り価格の決定など、不動産の売買には多くのステップが存在する。そのほとんどを対面で、書面を通しながらやっていたのが今までのやり方。多くのステップをネットサービスに切り替えることによって、手間と時間を省き、素早く売りにつなげられることが強み」とFan's 企画本部 HAYAGAIプロダクトオーナー 永井章志氏は、HAYAGAIのサービスを説明する。

 取り扱うマンションは東京23区内がメイン。それぞれのマンションが設定する管理費や修繕費はマンション名を検索した状態ですでに入力されており、売りたいユーザーは自身が設定している家賃を入力するだけで売値がわかる。会員登録は必要だが、要する時間はわずか数分だ。

不動産売却までの流れ。従来のものと「HAYAGAI」の違い
不動産売却までの流れ。従来のものと「HAYAGAI」の違い

 築年数や駅からの距離、日当たりなど、不動産の価格を左右する要素は数々あるが、HAYAGAIでは、自社内のマンション買い取りなどに従事するスタッフが長年培ってきた知見を活用。それらのデータをAIに組み込むことによって、独自の計算式で売値を導き出している。

 取り扱いはワンルームマンションのみ。基本的に投資用に購入しているもので、かつ駅から徒歩10分圏内の物件を中心に扱っているという。「東京23区内のワンルームマンションで、駅から徒歩10分圏内の物件は比較的ローリスクで運用ができる。値崩れが起こりにくく、一度借り手が見つかれば、短期間で引っ越す可能性も低い。家賃も下がらない。ただ、ライフステージが変わり、別に投資したいものが見つかったり、別の物件を購入するために手放したいというニーズがあることも確か。そうした売りたい人たちの中でもっとも優先順位が高い“早く売りたい”を実践した」と永井氏はサービスの背景を話す。

 Fan'sは、元々投資不動産の販売を専門にしており、そのジャンルに強い人材も多い。買い取りだけでなく、販売、仲介、管理といった不動産に関わるすべてを1社で担えることも強みだ。

 「ワンルームマンションは若い世代が住む場所というイメージが強いが、便利さ、安全性など高齢者からの人気も高い。fan'sでは、マンションの管理まで自社内でやっているので、物件を借りるときに必要な審査なども独自の基準が適用できる。必要な人に必要な物件を提供できるようになる」と、審査が通りづらく、賃貸を借りられないなど社会問題の解決も視野に入れる。

 「不動産は価格がブラックボックスになっていて、一般の人からはわかりにくいもの。こうした業界の慣例をなくし、オープンにしていくことがHAYAGAIの目標の1つ。適正価格を共有することで、不動産を買いたいと思う人は増えるかもしれない。知らないから買えないというのはユーザーにとって負の要素しかない」と永井氏は今後を見据える。

 永井氏は「サービス内容だけをみると、今までの不動産仲介業者との違いがわかりにくいかもしれないが、HAYAGAIは一気通貫でやっているからこそできるスピードが売り。今後は不動産価格をオープンしていくことで、この市場を変えていきたい」と意気込む。将来的には現在、市場に出回っている都内のワンルームマンションのオーナーすべてに利用してもらいたいとした。

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