Steve Mnuchin米財務長官は米国時間3月24日、人口知能(AI)が米国人の雇用にとって真の脅威になるには「あと50年から100年」かかるだろうと語った。
ニュースメディアのAxiosがワシントンで開催したイベントに登壇したMnuchin氏は、「AIが米国人の雇用を奪うという点で、現在われわれはほど遠い状況にいると思うし、私にはその兆しすら感じられない」と述べた。
こうした見方は、Obama政権の立場と正反対だ。前政権は2016年12月、10年後か20年後には9%から47%の雇用がAIによって脅かされると予測する調査報告書を公開した。報告書は次のように警告していた。「雇用の減少は、AIが主導する自動化がもたらすとりわけ深刻な悪影響になる可能性が高く、あらゆる業界とコミュニティーに影響を及ぼすだろう」
懸念していない理由を説明するよう求められたMnuchin氏は、「AIの範囲をどうとらえるかによって変わってくる」と返答した。
同氏は、一例として自動走行車を挙げ、そうした技術が普及するのはそう遠くないとした。
「あれは私にとってAIではない。コンピュータであり、現在ある現実の技術を使っている。こうした種類のものは現実だ。例えばR2-D2が仕事を奪うというような、AIとは大きく異なる」(Mnuchin氏)
Mnuchin氏が自動走行車のような「現実の技術」は「AI」ではないと考える一方で、米国では500万人が運転手として生計を立てており、自動化の水準が重大な影響を及ぼす可能性が高い。
Mnuchin氏の見方は、McKinsey Global Instituteが2017年1月に公表した報告書に沿ったものと思われる。とはいえ、この報告書には、AIが仕事の性質を大きく変えていくことを考慮するなら、政府は国民に対してより多くのサポートを提供することが必要になるとも書かれている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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