ソニーは3月25日と26日の2日間、東京ビックサイトにて開催しているイベント「AnimeJapan 2017」において、アニメ「魔法科高校の劣等生」とコラボレーションし、最新技術を活用したブース「魔法師開発研究所」を展開している。
魔法科高校の劣等生は、魔法が現実の技術となる2090年代の日本を舞台に、司波達也と司波深雪の兄妹が活躍する姿を描いた小説で、2014年にテレビアニメシリーズを放送。2017年6月17日に「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」が公開予定となっている。
出展したブースでは、2090年代に向けて魔法の発現や魔法師の発掘を目的とする試験や実験を行うという形で、最新技術を活用し魔法のような体験が感じられるものとなっている。
今回用意されているもののなかでも注目されているのは「魔法師適性試験」。試験用にチューニングされた拳銃型CAD(シーエーディー)を使い、魔法で敵を捕捉するという内容。暗室にCADを壁に向けると照準が出現し、さまざまな場所に向け敵を発見したらトリガーを引き補足。そのまま捕獲機に移動させる。制限時間内に3体の敵を捕獲機に入れれば成功。結果によって達也あるいは深雪からのメッセージが送られる。
ここでは主にソニー独自の動的空間プロジェクション技術を起用した「Moving Projector」や、振動デバイスによってリアルな触感を手の平に再現する触覚提示技術などを活用。照準が敵に近づくにつれてCADの振動が強くなるなど、その状況にあわせた振動が手の平から伝わってくるなど、体験しているときの没入感をより高めてくれる。ほかにも照準の映像はCADの銃口から照射されているのではなく、動きや位置、向きなどを感知した上で状況に応じた映像を別途プロジェクターから照射している仕組みとなっている。
自らの魔法力を感じられ、操っているような感覚を体験できるのは「サイオン量測定」。魔法師の候補者が手を動かすと、超心理現象の次元に属する非物質粒子で、認識や思考結果を記録する情報素子であるサイオン(想子)の量が可視化され、表示されるというものだ。暗室の壁に手を近づけると、サイオンの音と光が映し出され、手を動かすとそれに追随するように光がついていき、音も変化する。
これは4K超短焦点プロジェクターと、赤外線センサーを用いた没入型映像システム技術を活用しているという。これは壁側のセンサで人の手を感知し、その位置にあわせてプロジェクタから映像が照射される形となっている。単純に腕を動かしているだけでも楽しく“ハンドパワー”を持っているかのような体験が味わえる。
「知覚魔法師適正試験」では、魔法師として必要な知覚能力を測定する試験。魔法師の適性がある者だけがメッセージを受信でき、そのメッセージの指示に従うことで合格となる。指示に従って狭い範囲のエリアを移動。ピンポイントにそのエリアだけで聴くことができる音声が流れる形となっている。
ここでは音が一定の場所にしか聞こえず、互いにほぼ干渉せずに存在する技術を活用。各スピーカーから出力する位相、振幅などを適切に制御することで音場をコントロールしているという。ブースの外から音声が聞こえないのはもちろん、衝立や壁がないにもかかわらず、エリアを移動すると前のエリアの音声は聞こえなくなり、今いるエリアの音声聞こえるようになっている。
全般的に不思議な体験ができるアトラクションがそろっている。一見したり実際に体験して技術的なすごさを感じにくいところもあるかもしれないが、最新技術やこれまである技術の活用で、より作品世界における表現の幅が広がることを提示したものとなっていた。
このほかスマートフォン端末「Xperia」などを達也と深雪が紹介する「魔法工学デバイス」では、Live2Dで表現された2人による掛け合いを楽しむことができる。また劇場版主題歌のハイレゾ試聴やトレイラー、キャストのコメントの映像視聴ができる「魔法師への道」といったコーナーも設けられている。
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