リクルートテクノロジーズは3月29日、同社の研究開発機関であるアドバンスドテクノロジーラボにおいて、不動産管理会社の内覧業務に特化したスマートキーシステム「iNORTH KEY(イノース キー)」の本格展開を開始した。
iNORTH KEYは、不動産管理会社の内覧業務利用に特化し、従来のキーレスエントリーシステムでは応えきれなかった現場ニーズに対応。本製品の導入により、「鍵の受け渡しを必要とする当日の急な内覧」や「遠方物件の施錠確認」といった業務効率を改善できるという。
幅広いサムターン形状に対応するほか、磁石を用いた固定方式を取り入れることで、工事やオプションパーツなしでの設置・取り外しが可能。スマートフォンを利用した解錠・施錠といった基本機能のほか、利用権限や内覧予約管理を一括で実施できるウェブシステムを用意。どのユーザーがどのカギを解錠・施錠したかを記録できるという。
また、遠隔操作機能においても、中継器同士のメッシュ通信により故障による通信遮断が発生した場合でも、迂回した通信が可能。本体価格は、税別6000円(月額利用料税別380円)と安価に抑えており、大規模利用でも導入しやすい価格設定にしたとしている。電源は単3電池4本を使用し、1日あたり10回の開閉を想定した場合で約2年間の使用が可能だ。
アドバンスドテクノロジーラボによると、不動産管理会社の内覧業務利用における業務フローに改善の余地があると考え、仲介会社の所有するスマートフォンを一時的な物件の鍵にしたキーレスエントリーシステムの仕組みを構築。2016年1月に効果検証を実施していた。
2016年7月には、実証実験の結果をふまえ、内覧業務の効率化や入退室に関するセキュリティ強化を実現したiNORTH KEYの販売受付を開始。今回、量産体制が整った事から、3月より約1000台規模のフィジビリティスタディを実施する予定だという。
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