朝日インタラクティブは2月18日、2020年を見据えたテクノロジのカンファレンス「CNET Japan Live 2016」。その中で、リクルートの技術開発を手掛けるリクルートテクノロジーズが、社内で活用しているマーケティング基盤「cocoRoba(ココロバ)」と、同社のR&D部門であるAdvanced Technology Labが研究開発を進めているビーコンデバイスに関する参考展示を行った。
マーケティング基盤「cocoRoba(ココロバ)」は、自然な会話から本音を引き出すMROC(Marketing Research Online Community)によって得られたユーザーの声を人工知能(AI)によって解析やスコアリングし、アンケートなどでは得られないユーザーの本音を知ることでサービスの改善などに活用しようという取り組みだ。
オンライン上にユーザーを集め、モデレータとなる社員がユーザーと対話しながら数週間から数カ月の期間を掛けて深い意見を引き出していくという。担当者は、「解析する仕組みそのもの以上に、ユーザーが本音を語ってくれるような場をモデレートしていくことが重要。実はとてもアナログなサービスで、人の力=コミュニティ運営能力が大きなカギになる」と語る。
担当者は、人の力で得られる情報をAIによってデータ化する点について、「AIの発展によって人の力が必要なくなるということはない。私達が目指しているのは“人 with IT”であり、人の力によって生み出されるものとAIを組み合わせることで価値が生まれるのではないか」と語っている。
一方、研究開発を進めるビーコン技術は、現在AppleのiBeaconが主流となっているビーコンのデータ発信仕様が標準化されていく潮流をにらんだもの。同社ではGoogleが提唱するPhysical Webと、ビーコンの仕様のひとつであるEddystoneを組み合わせたビーコンエコシステムによって新たな世界を描いた。
Eddystoneでは、従来のBeaconにできることに加えて、通信時にIDではなくURLを送信できる。また、専用アプリがなくてもGoogle Chromeなどの標準的なブラウザでURLの受信とサイトの表示が可能になるとのこと。
これにより、O2Oなどのマーケティング活動において企業が専用アプリを必要としていた手間やコストの削減や、FacebookのURLなどを送受信することで人脈づくりなどのコミュニケーションに活用できるという。なおリクルートでは、社員IDのホルダに短距離通信ができるBeaconの送受信機を取り付けて、自分の近くにいる社員のプロフィールをスマートフォンで確認できる仕組みを4月から社内運用するとしており、社内交流の活性化に役立てたい考えだ。
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