子どもとスマホの関係をめぐっては、日本でも「スマホ育児」という言葉にも形容されるように、さまざまな議論がわきあがっている。韓国でもそれは例外ではなく、スマホ使用の低年齢化を危惧し、学校などの教育現場ではスマホの適切な使用方法やネット中毒の予防についての教育をする動きが活発化している。
そんな韓国で今、YouTubeで人気を集めている「Carrie And Toys」という子ども向け動画チャンネルがある。日本語に訳すと「ケリーとおもちゃたち」というタイトルのこの動画チャンネルは、2013年の開設後から徐々に人気を集め、現在までの購読者数は142万人を記録している。
この動画チャンネルは、「ケリー」という進行役を務めるお姉さんが登場し、さまざまな玩具を紹介していくというものだ。ケリーはお姉さんということもあり、主に女児向けの玩具を紹介。男児向けの玩具の紹介進行役は、「ケビン」というお兄さんが務めている(ケリーやケビンという名前を名乗っているが、両者ともに韓国人である)。
これだけ聞けば、「単なる玩具の宣伝の動画チャンネル」という印象を受ける人も多いことであろう。しかし、「ケリーとおもちゃたち」が人気を集めた理由には、単なる玩具の宣伝にとどまらず、「いかに子どもたちに玩具で楽しんでもらうか」を考え、ストーリー性を重視した動画作りをしたことが挙げられる。
たとえば、女児向け玩具の人形とキッチンセットの紹介動画。ケリーが人形を使いながら、キッチンセットで料理を作るというコンセプトの元、進行していく。動画自体は10分前後だが、ケリーの豊かな表情や大胆な表現に不思議とひきつけられる。
実際に、筆者の5歳の息子も「ケリーとおもちゃたち」の魅力にとりつかれ、1人で遊ぶときは常に自分でストーリーを作りながら遊ぶのが目下のブームになっている。販売を促進させるだけでなく、子どもたちの想像力を育てるという狙いもあるのかもしれない。
このように子どもたち、さらにはその親たちのハートもがっちりと掴んだのか、「ケリーとおもちゃたち」はたちまち人気動画チャンネルになった。ケリーの存在はYouTubeだけにとどまらず、キャラクター商品が発売されたり、ミュージカルが上演されたりするなど、「ネットアイドル」を枠を超えた人気を博していることも特筆すべき点であろう。
2月に入り、ケリーとケビン役の2人が2代目に交代することが発表され、ファンの親子に衝撃を与えた。日本の幼児向けプログラムである「歌のお兄さん、お姉さん」の卒業発表を彷彿とさせる反応は、人気の高さを実感させられるものである。
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