Oculusの最高技術責任者(CTO)John Carmack氏は米国時間3月7日、ZeniMax Mediaに対する訴状をテキサス州ダラスの米連邦地方裁判所に提出した。Carmack氏は、元雇用主であるZeniMaxが、買収費用のうち未払いになっている2250万ドルを自身に支払う義務があると主張している。
同じ法廷では2月、Facebook傘下のOculusが技術情報を不正に取得したとして、ZeniMaxに5億ドルを支払うよう命じられた。ZeniMaxの子会社は「Doom」「Quake」「Fallout」などの人気ゲームを制作している。
Carmack氏が共同創設者として関わったid Softwareは、DoomやQuakeといった革新的な一人称視点シューティングゲームを開発した。ZeniMaxは2009年にid Softwareを買収し、Carmack氏は2013年8月にZeniMaxを退社してOculusのCTOに就任した。
Carmack氏が契約違反を主張する今回の訴状では、ZeniMaxがid Softwareに1億5000万ドルを支払う約束になっており、同氏が主要株主として4500万ドルを受け取るはずだったことが明らかになった。Carmack氏は2011年、4500万ドル相当の約束手形の半分をZeniMaxの株式に交換した。
最終的な分割金の支払い期日が迫るなか、Carmack氏はZeniMaxが支払いを拒否していると主張し、未払いとなっている残りの2250万ドルをZeniMaxに支払わせるよう裁判所に求めている。
Carmack氏は訴状の中で、「苦い感情は、契約違反を正当化する理由にはならない」と述べている。
ZeniMaxは3月10日、今回の訴訟はまったく根拠のないものだと述べた。
「Carmack氏は、自責の念に欠け、多くの不実な行動と法律違反の証拠を無視し、再び訴訟の道を選んだ。われわれは、法廷でCarmack氏の最新の申し立てに反論する機会を待ちたい」(ZeniMax)
この長期に及ぶ法廷闘争は、ZeniMaxがOculusおよび創設者のPalmer Luckey氏を提訴した2014年に始まった。2017年2月、陪審はZeniMaxの申し立てを認める裁定を下している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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