DAZNは、2月26日に発生したJリーグの試合が視聴できなかった問題を受け、DAZN CEO ジェームズ・ラシュトン氏ら出席の下、説明会を開いた。
不具合が生じたのは、2月26日のJ1リーグ「ガンバ大阪対ヴァンフォーレ甲府戦」とJ2リーグ「愛媛FC対ツエーゲン金沢」の2試合。コンテンツがバッファリング状態になり、試合が視聴できない状態が続いた。加えて、J2リーグ全試合の見逃し配信が視聴できない状態になった。
DAZNでは2月27日に、映像配信へ方式変換するプラットフォームにあるスケジューリングシステムの構築誤差が原因だったことを発表。ガンバ大阪対ヴァンフォーレ甲府戦は、同日18時30分からGoal.comを通じてライブ配信、20時28分からJリーグYouTube公式チャンネルで配信、翌日2月27日の0時45分からDAZNでオンデマンド配信を実施。愛媛FC対ツエーゲン金沢戦は、23時53分からJリーグYouTube公式チャンネル配信、翌日3時15分からDAZNでオンデマンド配信で対応した。
説明会では、スケジューリングシステムの構築誤差としていた原因の詳細を説明。ライブ配信終了後に見逃し配信用のコンテンツを作成する「オートスタートストップツール」が正常に機能しなかったことが原因だったとした。
オートスタートストップツールは、見逃し配信用に、映像をエンコードをしたり、ハイライト映像部分を切り出したりするツール。今回のケースでは7つの試合のコンテンツが、1つのオートスタートストップツールに集まり、一度に処理しようとしたために発生したという。
オートスタートストップツールは、オーストリアやスイスなどでも使用されており、今回よりも多いコンテンツ数の処理にも対応しているとのこと。しかし今回は短時間に処理が集中したため、データベースが破損し、エンコーディングプラットフォームにも障害を起こしたためとしている。
DAZNでは今回の不具合を受け、自動化していたオートスタートストップツールの起動を手動に切替えたほか、バックアップ体制を、今までの2つから3つに増強。2つのバックアップはミラーリング構成になっているが、3つ目のバックアップは完全に独立したものにすることで、新たな体制を整えた。
説明会でDAZN CEOのジェームズ・ラシュトン氏は「放送プラットフォームを提供する立場として、責任を重く受け止めている。決して許されるものではないと思っている。現在、トラブルの原因は解明されており、問題は完全に解決した。私たちは情報をオープンにする際は正確、確実さを心がけており、今回は複雑なプラットフォームの問題を理解するまでに数日かかってしまった。これまで詳細な説明がなかったことに苛立ちを感じている人もいるかもしれないが、この会見で納得していただければと思っている」と謝罪した。
会見の冒頭にはJリーグチェアマンの村井満氏も登場。「Jリーグの開幕を楽しみにしていてくれたファンやサポーター、関係者の方々に悲しい思いをさせてしまって申し訳なく思っている。本来スポーツは結果を知ってから見るより、ライブでみたいというニーズからライブストリーミングを導入したが、残念な形になってしまった。今回は配信部分でのトラブルということで、テクニカルな話しになることもあり、DAZNの方から原因と対応について説明をいただく。JリーグとDAZNは今週末に開催される2節以降も万全を期して臨む構え。トラブルや問題があったときは協力して対応していく」とコメントした。
DAZNのラシュトン氏は、説明の中で数回に渡って「複数の試合が行われたためアクセスが集中したものではない」ことを強調。また7試合のコンテンツが集中していたことに対しても「これまでも15前後の試合を扱ったこともあり、容量が不足していたわけではない」と繰り返した。
なお、視聴不具合が生じたユーザー対応として、2月25~26日に視聴操作をしたユーザーを対象に2週間の無料期間を提供。無料体験期間中のユーザーは、無料視聴期間が2週間延長され、有料視聴ユーザーは、利用期間を無料で2週間延長する形になる。なお、「DAZN for docomo」ユーザーは、サービスにログインし、コンテンツの視聴操作したユーザーに対し、dポイント500ポイントを進呈する。
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