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レコード盤しか見えないレコードプレーヤ「Wheel」--盤面をまったく隠さず再生

 レコードの人気が復活している影響か、レコードプレーヤの新製品をよく見かける。そこで特にユニークなものを紹介しようと、これまでレコードが縦に回る「Floating Record」、空中で回転する「MAG-LEV Audio」、レコードでなくプレーヤが回転する「LOVE」などを取り上げてきた。

 どれも魅力的なのだが、レコード盤に刻まれた溝を針でトレースするという技術的制約により、どのプレーヤも再生中はレコードの盤面が隠されてしまう。盤面に絵が描かれたピクチャーレコードや、美しいデザインのレーベルもレコードの魅力なのだが、レコードの再生原理から隠されるのは仕方がないとあきらめていた。

 ところが、現在クラウドファンディングサービス「Kickstarter」で支援募集中のレコードプレーヤ「Wheel」は、レコードをプレーヤのアームなどでまったく隠さず再生できる。


盤面をまったく隠さないレコードプレーヤ(出典:Wheel公式Instagramアカウント)

 Wheelは、その名のとおり、レコードを置くことのできる円盤状デバイス。再生する際はレコードを回転させるのだが、針やアームは見当たらず、ただ裸のレコードが回るだけで音が出る。


レコードが置いてあるようにしか見えない(出典:Wheel公式Twitterアカウント)

 これで再生できる秘密は単純で、針などの再生機構がレコードで隠される側に取り付けてあるのだ。レコードに針を落とさず針にレコードを置くイメージだが、赤外線センサでレコードの位置を自動判別するため、使い方は難しくない。ただし、A面を表にすると針がB面をトレースするので、見える面と反対の面が再生されてしまう。


再生機構が隠されている(出典:Kickstarter)

 部品が下にある構造を採用したことで、盤面を隠さずレコードが楽しめる。さらに、再生面に埃(ほこり)が着きにくい、という大きなメリットも得られる。アームやカートリッジに触れて針やレコードを痛める、という失敗も未然に防げる。

 さらに、Wheelは垂直の状態でも使用可能だ。普通のプレーヤと同じくテーブル上で水平にして使う以外に、壁に取り付けたり棚に置いたりして再生すると、回転する盤面をより楽しめるだろう。


縦置きも可能(出典:Wheel公式Instagramアカウント)

 アームなどが見えないシンプルなデザインをいかすため、各種操作はレコードの穴を合わせるスピンドル(軸)でする仕組み。電源のオンとオフ、再生と一時停止、ヘッドホン出力用の音量調整、再生曲の頭出しなどが操作できる。


スピンドルで操作する(出典:Kickstarter)

 音声出力は、一般的なフォノ出力に加え、3.5mmジャックのヘッドホン出力、ライン出力が選べる。回転速度は、33 1/3回転のみ。


出力は3種類(出典:Kickstarter)

 Kickstarterでの支援受付期間は日本時間3月17日まで。記事執筆時点(日本時間2月28日11時)でキャンペーン期間は17日残っているが、すでに目標金額5万ユーロの2倍を上回る約11万2000ユーロの資金を集めている。


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