韓国のサムスンは現地時間2月21日、「C-Lab」と呼ばれるインキュベーションプログラムのもと、取り組んでいる新しい仮想現実(VR)や拡張現実(AR)のプロジェクト4件を紹介した。その中には、スマートサングラスや、視覚障害者がコンテンツをより鮮明に見られるよう支援するVRアプリなどが含まれる。
「Monitorless」と呼ばれるサムスンの新しいデバイスは、一見すると普通のサングラスだが、スマートフォンやPCからストリーミング送信されたコンテンツを眼前に表示できる。また、通常の光学レンズの背後に「エレクトロクロミック(電力により色を変える技術)ガラス」製パネルが取り付けられているため、ARやVRのヘッドセットとしても利用できる。
このスマートグラスは、右側のフレームにCPU、Wi-Fiチップ、画像投影装置を、左側のフレームにバッテリとスピーカーを搭載している。コンテンツは、無線LANによるピアツーピア通信仕様「Wi-Fi Direct」でストリーム配信される。
サムスンは、ユーザーはこのヘッドセットでARモードとVRモードを切り替えて使えると説明している。現在はVRコンテンツとARコンテンツが不足しているため、通常のコンテンツもこれらのモードで楽しめるようにすることが、開発の主眼だったという。
サムスンは、間もなく開催されるMobile World Congressで、新しいC-LabのARやVRのプロジェクト4件を詳しく紹介する予定だ。Monitorlessもその中に含まれる。C-Labがこれまで発表したプロジェクトには、自分のウエストをモニターできるスマートベルト、日常生活を撮影できるネックレス、栄養液を注入したりメラニンのレベルを測定したりできる極小針付きの皮膚パッチなどがある。
サムスンは今回、「Gear VR」向けの新しいモバイルアプリ「Relumino」も紹介する。サムスンによると、このアプリは、両目の視力が著しく弱い人や視覚に障害を持つ人が、より簡単に本を読んだりテレビを見たりできるよう支援する。既存の視覚支援装置よりも安価で、盲点に当たる部分をずらして表示したり、ゆがんだ像を修正したりできるという。
3つ目の「VuildUs」は、インテリアショップでユーザーが自分の部屋のVR映像を確認できるアプリだ。店に置いてある家具をVR映像の部屋に置いて、サイズを確かめたり、デザインが気に入った家具を買ったりできる。
最後の「traVRer」は、360度動画を楽しむためのアプリだ。世界中のさまざまな名所や旧跡をバーチャルで訪れ、その場所の「雰囲気、音、出来事」も含めて体験できるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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