家庭やオフィスなどで量産タイプの物作りをする際に役立つ機器として、掃除機を使ったデスクトップ真空成形機「FormBox」を取り上げた。こちらは手軽で導入しやすい点が優れているものの、掃除機の吸引力だと精度の高い成形には不十分だし、掃除中に成形できない、という致命的な弱点もある。
そこで今回は、デスクトップ型でありながら吸引力の高いポンプを内蔵した真空成形機「Vaquform」を紹介しよう。現在クラウドファンディングサービス「Kickstarter」で支援募集中。
Vaquformは、熱を加えて柔らかくした素材を型に押し当て、空気とともに吸引することで形を作る真空成形機。ポンプ内蔵型だが、340×477×425mmという机の上に置いて使える大きさが特徴。成形可能サイズは、およそ奥行き220×幅300×高さ160mm。
吸引力は、最大でマイナス12.8PSI(約マイナス88.3kPa)あり、一般的な掃除機のマイナス3PSI(約マイナス20.7kPa)の4倍強力。さらに、吸引プロセスを2段階に分け、まず弱い吸引力で大量の空気を素早く排出し、続いて強い吸引力で残りの空気を吸い取る方式にしたことで、精度の高い成形が短時間で実行できるという。素材を加熱するヒーターには、工業用の真空成形機と同じく耐久性の高いセラミックヒーターを採用した。
赤外線センサも搭載し、成形中に素材の温度を計測できる。これにより、使用する素材に応じて適切な加熱と成形時間の自動管理が可能になったという。ユーザーは、操作パネルで素材の種類を選んでスタートボタンを押せば、あとはVaquformに任せればよいそうだ。
Kickstarterでの支援受付期間は日本時間3月13日まで。記事執筆時点(日本時間2月16日10時)でキャンペーン期間は25日残っているが、すでに目標金額6万ドルの2倍を超える約13万1000ドルの資金を集めている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス