InstaVRは2月28日、同社が提供するVRアプリ作成ツール「InstaVR」が、サンリオピューロランドを運営するサンリオエンターテイメントのVRコンテンツ制作に採用されたことを発表した。春から本格運用を始めるとしている。
InstaVRは、ウェブベースのVRを作成して配信し、分析までできるツールソリューション。VR体験を360度(全天球)画像・動画を使って作成し、スマートフォン(iOS、Android)やVRヘッドセット「Gear VR」、ウェブなどに配信できる。利用者の注視点を同梱のヒートマップで分析して、体験を改善することも可能だ。1月時点で世界140カ国、1万社に導入されているという。
サンリオエンターテイメントでは、海外からのインバウンド来場者の増加を目指して、販促コンテンツを拡充してきたという。今回新たに、InstaVRを使った紹介動画のVRアプリを制作。ハローキティなどのサンリオのキャラクターがピューロランド内を案内してくれるほか、人気のパレードを現場で見ているような視点で体験できるという。動画はGearVRで視聴でき、GearVR内のポイントに視線を向けるだけで場面を移動できる。
サンリオエンターテイメントによれば、InstaVRを活用することで、通常2~3週間かかるモックアップの制作が1週間で完了したとのこと。また、当初の見積もりの半分で制作が完了し、撮影から納品までを3週間で実現できたという。VRコンテンツは、海外での多言語環境においても運用しやすいことを考慮して制作したそうだ。今後は利用者の興味対象が分析できるヒートマップ機能を活用し、コンテンツにフィードバックを反映したいとしている。
2月22日には、InstaVRにおいて、ワンクリックでVRヘッドセット「HTC Vive」に出力する機能の提供も開始された。
これまで、InstaVRが出力をサポートしていたAndroid、iOS、GearVRなどのモバイル端末を利用したVR体験では、「モバイル端末の性能によっては高品質動画を再生できない」「高画質動画を再生できても、OSの仕様で4Gバイト以上のアプリ化が行えないため、15分以上の高画質360度VR動画を同梱できない(36Mbps時)」「電池消費が激しいので連続再生時には常に有線での給電が必要」などの問題があったという。
また、会社案内や社員研修、専門技術者トレーニングなどでVRコンテンツを利用する場合、総ファイル容量が9Gバイトに到達する、25分を超える長時間の高画質360度VR動画を連続再生する必要があるため、モバイルVRの品質や容量制限、再生時の電池消費問題などが、VRの実利用の障害になっていたという。新たにHTC Viveへの出力をサポートすることで、それらの問題を解決したとのこと。
すでに、豊田ハイシステムがHTC Viveへの出力機能をVR事務所紹介に導入しているそうだ。InstaVRでは、今後も「Oculus Rift」や「Google Daydream」などに順次対応する予定としている。
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