大規模なデータセンターを運用するには、広大な土地と大量の電力が必要だ。さらに、効率的に廃熱できる環境も望ましい。最適な場所を吟味して条件に合ったデータセンターを建設するのが理想だが、生き馬の目を抜くほどの勢いで状況が変わるビジネスの世界では、そんな悠長なことなど言っていられない。
これに対し、Amazon.com傘下のAmazon Technologiesが空気で膨らませたテント風の構造物内にデータセンターを作るデータセンター設置技術を考案し、米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間2016年12月22日に「INFLATABLE DATA CENTER」(公開特許番号「US 2016/0374233 A1」)として公開された。出願日は2016年9月2日。
この特許は、テントのようなものの内部へ空気を送り込み、その力で膨らませて大きな空間を確保し、データセンター運用に必要なサーバやストレージ、ネットワーク、電源といった機器を設置する技術を説明したもの。この技術では、冷却用として取り込む外気によって高まる気圧を、テントを膨らませることにも利用する。
内部へ空気を送り込んで膨らませる大規模建造物の例としては、東京ドームが思い浮かぶ。同特許は、膨らませるための空気と冷却用の空気を共用するのだ。
短時間で設置できるデータセンターとしては、すでにコンテナ型が実用化されているが、同特許の方式であれば、機器配置の自由度が高まり、サーバやストレージの構成を柔軟に変えられる。かなり大きな規模のデータセンターも構築できる。
建物自体の自由度も高く、文字通りサーカスのテント小屋のような形をしたデータセンターも建築可能だ。
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