日本電気(NEC)は2月14日、ICカードと連動するA3モノクロプリンタ「MultiWriter(マルチライタ) 8300」を発表した。価格は、9万8000円(税別)。出荷開始は、4月10日。
同社によると、自治体や医療、サービス業などの基幹業務システムから膨大な量の紙媒体の出力を必要とするプリンタには、耐久性や給紙容量、印刷スピードが求められているという。
従来モデルMultiWriter 8250N/8250から7年ぶりに刷新する今回のMultiWriter 8300では、ICカードと連動した認証プリントやプリンタのHDD内に蓄積した印刷指示データの暗号化など、セキュリティ面を強化した。
ICカードと連動した認証プリントは、別売のICカードリーダ「IC Card Gate 3」、機能拡張キット(オプションHDD)を装着することで、ICカード認証による印刷をはじめとしたセキュアな環境構築に対応する。プリンタサーバは不要だ。
プリンタ内のHDDにクライアントPCからの印刷指示データを一時的に蓄積し、ICカード認証を経て出力を行うことで、印刷用紙の取り間違いや取り忘れによる紛失などの情報漏えいリスクを低減できるようになる。
HDDに一時的に蓄積されたデータを印刷後に上書き消去する従来機能に加え、新たにHDDの暗号化機能も搭載。プリンタ本体や内蔵HDDの盗難、紛失時のリスクも低減できる。
なお、別売の印刷管理ソフトウェア「WebSAM PrintCenter V」と組み合わせることで、「印刷のログ管理」や「透かし印刷」などの利用も可能になった。
NECデータセンターで安全にデータを管理しながら、端末にアプリケーションやデータを残さない仮想デスクトップ環境を提供するサービス(クラウド型仮想デスクトップサービス)である「NEC Cloud DaaS」において、今後、プリントサーバとの連携を強化する予定だという。
新製品を含めたページプリンタ「MultiWriter」との連携により、顧客データの管理や業務PCの運用に加え、印刷環境まで含めてセキュリティの向上と効率的な運用管理が可能な環境を提供する。
また、従来機(MultiWriter8250N/8250)同様に120万ページの耐久性を維持しながら、A4サイズ連続出力スピードを従来機の30.5ページ/分から32ページ/分へ強化。さらに、ウォームアップ時間の短縮(約16秒から14秒以下)や、スリープモードからのリカバリ時間の短縮(約16秒から12秒以下)により、業務のスループット短縮が可能。給紙容量も最大1550枚と増加を図る(従来機は1500枚)など、基本性能が強化されている。
100BASE-TやUSB2.0を標準装備するとともに、オプションでギガビットイーサネットカードを用意することで、より高速な「1000BASE-T」ギガビットイーサネット環境にも対応する。
さらに、「グリーン購入法」「国際エネルギースタープログラム」「エコマーク」といった環境規格への対応や、従来機のカタカナに加え「かな/漢字」に対応した操作パネルの搭載など利便性も向上している。
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