女性向け“タテ動画”アプリ「C CHANNEL」がリアルへ進出--森川社長の次なる一手

 女性向けの縦動画アプリ「C CHANNEL」が、2015年4月のサービス開始から間もなく2年を迎えようとしている。動画の月間再生数は6億回を超え、「広告収益による黒字化も近い」と話すC Channel代表取締役社長の森川亮氏に、現状の手応えや今後の展望を聞いた。

C Channel代表取締役社長の森川亮氏
C Channel代表取締役社長の森川亮氏

 C CHANNELは、ファッションやメイク、料理などの1分前後の動画を配信する女性向けアプリ。スマートフォンでの視聴に最適化された“縦画面”の動画のみを配信していることが特徴だ。当初は「クリッパー」と呼ばれるモデルやタレントを起用して、飲食店での食レポや、ファッションコーディネートなどを紹介したり、雑誌などとコラボしてオリジナル動画を配信したりしていたが、「全くうまくいかなかった」と森川氏は振り返る。

 ローンチ時は苦戦していたC CHANNELだが、米国の料理動画メディア「Tastemade(テイストメイド)」と提携したことで転機が訪れたという。同メディアを通じて海外向けに料理のハウツー動画を配信したところ、予想以上の反響があった。そこで、2015年末に料理やヘアアレンジのハウツー動画の専用スタジオを立ち上げ、動画を量産できる体制に変えたという。

「C CHANNEL」 「C CHANNEL」
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 分散型メディアとして、FacebookやInstagram、LINE、YouTubeなどで動画を拡散することにも成功し、2016年の春に月間1億再生を突破。そこから海外展開を開始し、台湾やタイ、インドネシアなどで現地パートナーとともに、日本の字幕動画やオリジナル動画を展開することで2億再生を超えた。これと並行して、動画カテゴリをファッション、恋愛、DIY、ライフスタイルなどにも広げたほか、2016年末から中国や韓国でも展開したことで、1月末時点で月間6億再生まで成長したという。

 メインユーザーは、F1層(20~34歳の女性)で、ヘアアレンジ、料理、ネイルの順で動画が視聴されているそうだ。「ついに100均にもミラーパウダー登場」「トースターでできちゃう!10分フォンダンショコラ」といった、知っておくと得をする“裏技”やハウツーを紹介する動画が人気だという。また、C CHANNELの特徴でもある縦動画についても、当初は抵抗のあるクリッパーや視聴者もいたそうだが、今では多くのユーザーに受け入れられていることから、そう遠くない時期に縦動画が主流になると森川氏は見ている。

「ハウツー動画広告」で黒字化へ

 C CHANNELでは、1日に約80本の新着動画が投稿されており、このうちの2割が同社のスタジオなどで撮影したプロの動画、6割がクリッパーによる動画、そして残りの2割が一般ユーザーが投稿した動画だという。ユーザーにはプロの動画が最も視聴されており、「ひよん」さんなど人気のクリッパーも生まれているそうだ。

動画広告でもレシピなどのハウツー動画を展開 動画広告でもレシピなどのハウツー動画を展開
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 マネタイズについては、動画広告が好調だという。C CHANNELでは、ネイティブアド、動画バナー、インストリーム広告を展開しているが、「動画を見にきている方々は動画広告との親和性が高く、通常の動画と同様に視聴完了率が高い」と森川氏は話す。

 たとえば「カルーア抹茶で作る簡単カクテルレシピ」など、広告主の商品のオリジナルハウツー動画を制作して配信しているが、内容がハウツーであることから、広告であっても繰り返し視聴されやすいとのこと。過去にヘアアレンジの動画広告を配信したところ、視聴者の約7割がそのヘアアレンジを試したという高い効果も得られたという。

 これまでに、ローソンやケンタッキーフライドチキン、わかさ生活、HOME'S、東京ディズニーリゾートなどが出稿しており、国内事業については2017年度に黒字化する見通しだという。

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