2016年12月からは動画と組み合わせたECも開始した。販売する洋服やバッグを身に着けたクリッパーの動画を視聴しながら、画面上に表示される商品情報をタップすることで、そのまま購入できるサービスだ。数量限定の割引商品が買えるフラッシュセール形式で、「他社が売っていないものを限定価格で売るテレビショッピングに近い」(森川氏)。開始したばかりということもあり、1月時点の月間売上高は数百万円とのことだが、2018年には月額数億円まで成長させたいと森川氏は意気込む。
直近の動きとしては、2月からポイント機能を導入。これに併せて、縦画面のオリジナルドラマや、日替わりでイケメンを紹介するプレミアム動画の配信を開始した。ユーザーは動画に対して「好き」ボタンを押したり、コメントを残したりすることでポイントを得ることができ、そのポイントを使ってプレミアム動画を閲覧したり、クリッパーに応援アイテムを贈ったりできる。
さらに、4月1~2日の2日間には初の大型リアルイベント「SUPER C CHANNEL」を東京国際フォーラムで開催する。企業とコラボしたブースを設け、来場者がクリッパーからメイクの裏技や自撮りのテクニック、ファッションコーディネート、料理レシピなどを教えてもらったり、体験したりできる場になるという。
このイベントを機に、C CHANNELをオンラインとオフラインをつなぐプラットフォームに変えていきたいと森川氏は話す。「これまではアナログからデジタルに移るという流れがあったが、いまの若い人たちはアナログを知らないので、逆にデジタルからアナログに移行する傾向にある。企業にとっても、若い人たちのトレンドを掴むマーケティングの場になればいい」(森川氏)。
オフラインでの展開はイベントのみに留まらない。今後は、同社が抱えるクリッパーなどが自ら企画・開発した商品を、プロモーション動画などを通じてファンに拡散。さらにポップアップストアなどで、実際に商品を体験して購入してもらうといった取り組みも進める予定で、すでに化粧品のOEM体制も準備しているという。将来的には、スマートフォンのGPSと連動して、店舗の前を通るとその商品に関連した動画が流れるといった施策も展開したいとした。
2016年に足場を固めた海外展開も加速させる。最近では、シンガポールの大手テレビ事業者や、フィリピン最大手の出版社とも提携しており、各国でのテレビ配信やリアルイベントの開催も計画しているという。また、中国ではわずか1カ月間で月間再生数が2億5000万を超えたことから、現地のインフルエンサーを開拓して、早急に動画を量産できる体制を目指す。「中国には競合といえる分散型メディアがない。アリババ、テンセント、バイドゥの3社が独自プラットフォームで展開しており、この3つをまたいでいるのはわれわれだけ」(森川氏)。
森川氏は、多くの消費者にとって、スマートフォンがテレビに置き換わる存在になりつつあると話し、今後はよりSNSのタイムラインやメッセンジャーが動画サービスの主戦場になっていくと予想。その上で、プロやインフルエンサーが作成したハイクオリティな動画を、AIによって個々の視聴者に自動マッチングして届けられる環境をいち早く構築することで、C CHANNELならではの優位性を築きたいとした。
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