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富士通「Zinrai」が実現するAIのいち早いビジネス効果

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 「ビジネスに必須となるAIの可能性」をテーマとして2月21日、22日に開催する今回の「CNET Japan Live 2017」では、2日目のキーノートに富士通 執行役員の菊田志向氏が登壇する。AI活用のためのプラットフォームサービス「Zinrai(ジンライ)」の最新動向を紹介するとともに、さまざまなビジネス現場にイノベーションをもたらす活用事例を、具体的なデモを交えながら発表する予定だ。

多方面で実証実験や実業務への適用が加速

 いま最も旬なテクノロジとして注目されるAI(人工知能)だが、実はその歴史は長い。富士通グループも富士通研究所が中心となり、1980年代より継続的にAI活用の実用化に向けた研究開発に取り組んできた。そうした中で培ってきた知見と技術、ノウハウを結集し、体系化したのがZinraiである。疾風迅雷を語源とし、「人の判断や行動を“スピーディ”にサポートすることで、企業・社会の変革を“ダイナミック”に実現させる」という思いが、その名称に込められている。

 具体的にはZinraiは、人のように五感を駆使して人の感情、気付き、気配りまでも処理する感性メディア技術としての「知覚・認識」、人が理解する知識のみならず機械処理が可能な知識を創り出す「知識化」、スーパーコンピュータなどを活用して社会やビジネス上の課題を数理的に解決する「判断・支援」の3つの要素で構成され、それぞれが自律的な“学習”を続けることで高度化し、成長していく。

 Zinraiが発表されたのは2015年11月のことだが、その後すでに300件を超える問い合わせがあり、なかでも新しいUX(ユーザーエクスペリエンス)、ナレッジ活用、異常(アノマニー)監視・予兆検知などに期待が高まっているという。

富士通 執行役員の菊田志向氏 富士通 執行役員の菊田志向氏

 富士通 執行役員の菊田志向氏は、「実際、お客様との共創による実証実験も多方面で始まり、製造業でのコールセンター支援やプラントの故障予測、金融業での窓口業務支援、流通業における社内ナレッジの高度化といった事例が拡大しています」と語る。

 それだけではない。産学官の連携プロジェクトとして、京都大学ならびに日本医療研究開発機構と手を組んだ「ゲノム医療向けのAI技術開発」、京都大学と理化学研究所のほか製薬、化学、食品企業、富士通をはじめとするIT企業群で構成されたLINC(ライフ・インテリジェンス・コンソーシアム)において健康寿命の延伸とQoL(生活の質)の向上を目指す「AI/ビッグデータ解析モデルの開発」など、ヘルスケア/ライフサイエンス分野を中心とした研究開発が活発化している。

 もちろん富士通自身もさまざまな社内業務でAIの実践を進めている。たとえばコールセンターでは、新人オペレーターによる問い合わせ解決の割合が従来比2倍に向上。セキュリティ運用では、それまで人手で3カ月をかけていた新手のサイバー攻撃の検出時間を6日間に短縮した。ものづくりの分野でも、多層プリント基板の回路設計の一部を自動化することで設計工程を20%短縮するなど、成果を上げている。

モビリティ分野でもAI活用進む--ドライバーセンシングによる安全運転支援

 菊田氏は、「今回のCNET Japan Live 2017では、Zinraiプラットフォームサービスを中心としたテクノロジーの最新動向をはじめ、実用段階に入ったAIのさまざまな活用シーンやその事例をデモも交えながらご紹介します」と語る。

 AIとドライバーセンシングを組み合わせた安全運転支援もそのひとつだ。ドライバーの目の動きを感知する視線センサーや車両周辺をセンシングするカメラやミリ波センサーなどから収集されたデータを車に搭載したAIで分析し、その情報をクラウドに送りドライバーの先にある危険を予測してドライバーにアラートを発信する。当日のデモでは、ドライバーの眠気を検知する様子、人や自転車が接近していることを音声で伝えながら注意喚起をする様子などを紹介する予定だ。

暗黙知を形式知化してホワイトカラー層の生産性を向上

 さらに菊田氏は、「AI活用による効果が最も期待できるのが、実は日系企業であることをお伝えしたいと思います」と語る。グローバル競争がますます熾烈化していくなかで日系企業における業務改革、特にホワイトカラー層の労働生産性の向上が強く求められているが、AIはこの課題を解決する大きな力を持っているというのだ。

 ブレークスルーを起こそうとしているのは、富士通研究所が開発した「Deep Tensor(ディープ・テンソル)」と呼ばれる最先端の機械学習技術で、人やモノのつながりを表現するグラフ構造のデータから新たな知見を導いていく。グラフ構造には大きさや表現方法が異なる多様なデータが複雑に混在しているが、ベクトルや行列を拡張した「テンソル」と呼ばれる統一的な数学表現に変換することで、ディープラーニング技術による高精度な学習を可能としたのだ。実際に化合物のオープンなデータベースである「PubChem BioAssay」に対して適用してみたところ、従来の約100倍となる数十万種の化合物の構造と個々の活性の関係を学習できたという。

 この画期的な機械学習技術を、企業が有するさまざまなナレッジの有効活用につなげられるのだ。大量の技術文書を“専門家の見方”を通して学習させ、文書の“本質的な概念”を抽出してグラフ構造で表示する。これによりホワイトカラー層の生産性向上の妨げとなっていた属人化の問題を解消することができる。「CNET Japan Live 2017では、経験の浅い担当者でもベテランの専門家と同じ物事の見方で、必要な情報を効率よく探し出せる様子を、デモを通じてご紹介します」と菊田氏は語る。

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