シャープは2月3日、2017年3月期第3四半期(2016年10~12月)の決算を発表した。液晶テレビのブランドライセンス化やスマートフォン顧客向けの液晶パネル、カメラモジュールの需要減少により減収となったが、構造改革などの取り組みにより営業利益は黒字化した。
売上高は前年同期比13.8%減の5715億円、営業利益は同38億円の赤字から188億円、経常利益は141億円の赤字から167億円、親会社株式に帰属する四半期純利益は247億円の赤字から42億円とそれぞれ黒字化した。
シャープ代表取締役副社長兼管理統轄本部長の野村勝明氏は「構造改革、コストダウン、経費削減などの効果があり、利益は大幅に改善した」とした。
第1~3四半期(2016年4~12月)の累計では、カメラモジュール、ディスプレイデバイスなどの売上減により、売上高は前年同期比23.2%減の1兆4912億円、営業利益は健康・環境システム、ディスプレイデバイスなどの改善により189億(前年同期は290億円の赤字)、経常損失は152億円(同528億円の赤字)、四半期純損失は411億円(同1083億円の赤字)となっている。
第3四半期のセグメント別では、国内市場が縮小したソーラー事業を有するエネルギーソリューションが79億円の赤字になったものの、その他の事業はすべて黒字化を達成した。
この数字と現在の事業環境を受け、シャープでは通期連結業績予想を上方修正。売上高は前回公表時から500億円増の2兆500億円、営業利益は116億円増の373億円としている。
野村氏は「2015年度は大幅な赤字を計上したが、構造改革の断行により2016年度は第2四半期で営業利益、第3四半期で当期純利益を黒字化できた。今後は事業拡大に向けた取り組みへと軸足を移し、成長軌道への転換を図る」とし、今後の取り組みを発表。
(1)技術への積極投資、(2)グローバルでのブランド強化、(3)新規事業の加速の3点を重点的に取り組むという。技術への積極投資には、8Kエコシステム構築に向けた技術開発、音声対話技術をはじめとしたIoT関連技術開発、有機EL4.5Gリアンの構築推進などを掲げた。
重要技術開発の促進については「社長ファンド」も創設し、取り組んでいくとのこと。「社内に以前からあった『緊急プロジェクト(緊プロ)』と同じ位置づけ。将来性のあるものに対し、積極的に投資をしていく」(野村氏)とした。
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