スマートフォンネイティブが見ている世界

なぜ女子高生は「ミクチャ有名人」になりたいのか - (page 2)

 以前、運営の問題で炎上騒ぎとなった中高生限定の「ゴルスタ」でも、サービス発メンズアイドルグループ「ゴールスターズ」というグループがデビューしている。このように、ユーザー層に人気が高いユーザーがデビューする例は少なくはないのだ。

 ブログを書いたことがある人なら、ファン登録される喜びは知っているだろう。コメントなどのリアクションが嬉しいこともわかるはずだ。下位のユーザーにも多くのファンがついている。そして、ファンは動画に対して熱烈なコメントを送っている。「かわいいー!」「だいすき!」「らぶ」「応援してる」など多数のコメントが寄せられているのだ。彼らにとってこのサービスの中では間違いなく自分が主役であり、待ち望まれる存在でいられるというわけだ。

「友だちの中で有名になりたい」10代

 友だちの中で注目されたい、重要な存在になりたいと思う10代の子は多い。以前、「A子ってLINEだとどこでもいるよね」「あー、LINE有名人的なね」と言われている子がいた。A子はとにかくLINEに張り付いており、クラスのタイムラインにも頻繁に投稿。すぐに既読になり返事がくるということで評判になっていた。LINEの中では存在感があったもののの、クラスの中では目立たない方で若干浮き気味だったようだ。

 LINEで目立つことがクラスの地位を獲得するために大切と信じて行動したものの、実際はまったくそうではなかったというわけだ。

 これまでにも、Twitterでフォロワーがほしくてデマを投稿して書類送検された高校生や、フォロワーとリツイートがほしくて他人のツイートをパクる「パクツイ」に手を染めた高校生、LINEでの地位にこだわりすぎてLINE依存状態になる中高生などの例をご紹介してきた。

 SNSでの活動をきっかけに活躍の場を広げることは悪いことではないが、やり方が間違っていたら問題が起きてしまうのは当然だ。また、SNS内で有名になってもそれだけでは何もならない。ゴールスターズとしてデビューすることになり、アイドル活動に専念するために高校を中退したのに、ゴルスタが閉鎖された結果グループ自体も解散してしまい、活躍の場がなくなった子もいる。

 YouTuberも含め、多くの職業で成功するためには正当な努力と時間が必要となる。保護者は、努力なしで得られるものはないこと、どんなことにも地に足をつけた努力が必要なことを伝えてあげてほしい。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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