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無料SIMをフックにした旅行プラットフォーム「WAmazing」--訪日客向けに提供 - (page 2)

山川晶之 (編集部)2017年01月27日 18時00分
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CEOは「じゃらん」出身、CTOは元クックパッドの館野氏

 WAmazingは、2016年7月に設立されたスタートアップ企業。同社代表取締役社長の加藤史子氏は、もともとリクルートに18年在籍しており、「じゃらん」や「ホットペッパー」など紙のビジネスをネットビジネスに転換する事業を担っていたという。地域活性を担当する部署に異動すると、既存事業以外でのIT基軸のサービスとして、若者向けアプリ「マジ部」の立ち上げにも携わっている。

 加藤氏は「訪日外国人が増えているものの、地方への集客は現地の旅行業者に営業するしかない。個人旅行者がインターネットで出会うプラットフォームとして、総合的に日本から発信できているものはない。最初にそのポジションを取りたい」と語る。同氏は、WAmazingを訪日客500万人が利用するプラットフォームに育てたいとしている。

 また、同社最高技術責任者の館野祐一氏は、もともとクックパッドでCTOを務めていた人物。WAmazing立ち上げ時のメンバーに中核の技術者が一人もいなかったため、顧問として技術面や採用面でのコンサルタントとして参画していた。立ち上げに参加するうちに、WAmazingがプラットフォームとして将来的に大きくなる道筋が見えてきたことや、ユニークな創業メンバーの存在もあり、正式にファウンダーの一人として入社した。

 館野氏は、「主婦向けのクックパッドと違い、言語が異なる外国人にサービスをどのように提供するかの課題はある」としつつも、「サービス改善の手法はいくつも知っているので、便利かどうか深掘りしていける。新しい試みであることに加え、技術的課題や将来的なプラットフォームの成長確率から面白さを感じ、ジョインした」という。

成田空港と協業できた理由

 事業展開における大きなポイントとしては、設立したばかりのスタートアップが成田空港と協業できたことだ。これについて加藤氏は、リクルート時代に培った交渉スキルに加え、協業することによる成田空港側のメリットを明確に示したことが大きいと語る。

 成田空港では、空港自体の利用者満足度の向上に努めており、訪日客からの需要が高いモバイルネットワークを無料で提供するSIMサービスは、成田空港側も求めていたものだったという。

 また、空港の主な収入は飛行機の発着利用料のほかに免税品やテナントなどの空港外収入が大きく成長している。訪日客を含めた旅行客の多くは、帰国時にお土産を買う傾向が強いため、空港側からすれば入国よりも出国時に利用してもらう方がメリットがある。ただし、旅行客が成田空港以外に利用した空港のデータを取ることができず、適切なマーケティングが実施できていなかったという。

 WAmazingアプリでは、事前にSIMカードの受け取り場所を指定するために、出入国で利用する空港を入力する必要がある。顧客情報のほとんどがマスクされるものの、ユーザーの利用空港を把握でき、マーケティングデータとして需要があったようだ。


アプリではSIMの受け取り場所を指定するため、出入国の空港を入力する必要がある

 WAmazingは、まだプラットフォームとしてスタートしたばかり。「旅行プラットフォームとして完璧なものを出そうとするとローンチまで大幅に時間がかかる。旅行は、食べる・寝る・移動するという人間生活のすべてを非日常で切り取るので、(すべての領域をカバーしようとすると)広大な砂漠のような話になってしまう」と加藤氏は語る。

 旅行市場は大手の寡占市場になっているものの、市場規模が大きいため、少しでもシェアが取れるとビジネスとして成立するという。まずは、客単価や利用頻度の高いサービスから提供し、外部提携も含め順次拡充するほか、SIMが受け取れる空港数も増やす計画だ。

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