グーグルは1月24日、インバウンド旅行者に関する検索トレンドについて記者向けに説明会を開催した。日本における旅行に関連した検索キーワードをもとに、訪日旅行客の動向や各国での違いなどをグーグルがまとめたもの。
日本では近年、外国人旅行客の増加がめざましく、2016年1月~11月の累計は2199万人と、2015年と比較して22%増加している。これは、円安の影響とアジア圏の経済力向上による旅行者数の増加、ビザ発券の緩和、政府や民間企業の積極的なプロモーション施策、日本への関心の高まりなどが挙げられるという。
グーグル検索では、「Flight to Japan」「Hotel in Tokyo」といった、日本を目的地とした旅行検索が年率26%で増加。インバウンド市場の増加率とほぼ同じ動きが見て取れる。旅行客の7割は中国、韓国、タイなどの東アジアが占めており、特に中国は初回訪問数が多いという。また、旅行者のリピート率は下降傾向にあるものの、絶対数の増加がそれを吸収している形だ。
世界における日本の地名検索ランキング(英語)では、1位がTokyo、2位がHiroshima、3位がGinzaと続いた。そして4位にSaitamaがランクインしており、年成長率も98%と異常な伸びを示している。これは、東京で宿泊施設の予約が取れない場合に埼玉を検索する流れがあることに加え、もう一つの要因としてマンガ「ワンパンマン」に出てくる主人公「サイタマ」に関する検索も影響しているという。
検索キーワードの傾向も変わってきている。これまでは、JapanやTokyoといったおおまかな地名が多かったが、今では「Akihabara」「Shibuya」「Harajuku」といったエリアごとの検索が増えている。地名検索ランキング5位の大阪は、関西空港から入国する旅行客の多い中国・韓国からのアクセスが多く、清水寺や大阪城といったスポット名で検索される傾向にある。実際、大阪は東アジアからの訪日客が増えてきており、検索トレンドと合致するという。
これは移動手段の検索にも現れている。英語圏で新幹線関連の検索をする場合、単純に「Shinkansen」と検索するよりも、「JR Pass」「JR Rail Pass」といった具体名で検索されるようになっている。中国語でも、JR東日本、大阪周遊券、関西周遊券、九州周遊券などで検索されている。これは、初回の旅行者というよりもリピーターが具体的に検索する傾向が現れたものだとしている。
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