偽ニュースの流行は、われわれ商業ニュースメディアが安定したビジネスモデルを構築できずにいることの直接の結果だ。われわれは、ニュースメディア業界が混乱状態にあることを忘れてしまったようだ。
上の画像の、2016年に掲載された記事の見出しの数々を見てほしい。そして、2017年になってわずか数日後に次のような報道があった。
オンラインパブリッシングサイトとして人気の高いMediumが、従業員50人を解雇し、ビジネスモデルを変更する(どのようなビジネスモデルにかは具体的には示していない)と発表した。Mediumは、Bloggerの創業者で、Twitterの共同創業者でもあるEv Williams氏が立ち上げたメディアだ。まだコンテンツのほとんどに原稿料を支払っていない、このソーシャルメディアに精通した“デジタルファースト”なメディア企業は悪戦苦闘している。デジタルだけではなく、あらゆるメディア企業が険しい道を歩んでいる。
ただしMediumの勢いという点については、Ev Williams氏は発表の中で次のように書いている。
2016年はわれわれにとってこれまでで最高の年だった。読者数や投稿コンテンツ数などの主な数字は、前年比でおよそ300%増加した。 また、毎日のように、世界的に有名な指導者から無名の個人まで、多様な人々が意義のあるストーリーをMediumで公開してくれた。
New York Timesも、読者数が増加したにもかかわらず、人員を削減するという。
われわれの世界での月間読者数は、数年前から倍増し、2億人を超えた。読者コミュニティーの成長は目覚ましかった。また、有料デジタル版の購読者数は、最も野心的な予測をも上回った。
(中略)何をもってしても、紙からデジタルへのシフトにより、ニュース編集部はより小規模に、集中的にならざるをえないという事実を隠すことはできない。
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