スウェーデン王立工科大学(KTH)は、救急車などの緊急車両の接近をカーオーディオ経由で警告するシステム「EVAM System」を開発した。これにより、サイレンの音に気付かないほどの大音量で音楽を鳴らしていたとしても、近づく緊急車両に道を譲れる。
このシステムは、KTHの学生グループが開発した。FMラジオ電波を使ってデータを送信する技術「Radio Data System(RDS)」を利用し、緊急走行中の車両から接近警告を送る。このデータを受信したカーオーディオは、音楽などの再生音を止めてドライバーに警告すると同時に、テキストでも車両接近を伝える。
緊急車両が単純にサイレンの音と回転灯の光で存在を知らせる仕組みと異なり、EVAM Systemは周囲の走行速度に応じて警告の送り方を変える。そのため、一般道など割と低速で走行している環境ではある程度近づいてから、高速道路の場合は遠くから、緊急車両の接近を認識できることになる。
また、このシステムは救急車や消防車、パトカーなどの緊急車両の通行を優先させる目的で使うほか、交通事故や道路上の障害物を警告することにも利用可能。
ストックホルムでは、一部の救急車に同システムを搭載して試験運用する。開発した3人の学生は、H&E Solutionsという企業を立ち上げ、事業化を目指す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス