自動車メーカーはもちろん、IT企業などが、自動運転車の実用化を目指して研究開発や試験運行に取り組んでいる。テーマパークや工場といった閉じられた空間ならば、走行環境は比較的単純だ。しかし、歩行者やほかの自動車が行き交い、標識や信号であふれる公道の場合、自動車を自律走行させるには多種多様な技術が欠かせない。
そんな公道走行で必要にされる動作の1つに、緊急走行中の緊急車両に出会ったら道を譲る、というものがある。Googleが実現するための技術を考案し、米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間2016年9月1日に「REAL-TIME ACTIVE EMERGENCY VEHICLE DETECTION」(公開特許番号「US 2016/0252905 A1」)として公開された。出願日は2014年8月28日。
この特許は、自動運転車がカメラで撮影した周囲の映像を解析し、パトカーや救急車、消防車といった緊急車両が緊急走行しているかどうか判断する技術を説明したもの。請求項(クレーム)には、緊急走行と判断した場合に適切な動作をさせるとしか記載されていない。現実的には、路肩に寄せて停車、中央分離帯に寄せて停車、交差点に進入しないなど、状況に応じてさまざまな対応が考えられる。
緊急走行中の緊急車両かどうかは、映像内で光っている部分を詳しく解析して判断する。公道で撮影した映像には街灯や信号機、太陽など、さまざまな光源が映り込む。そこで、光源の数、配置、点滅パターン、色などをあらかじめ登録されている回転灯テンプレートと照らし合わせ、判断することになる。
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