プライバシー擁護団体がDonald Trump氏の大統領就任前に米国政府の監視権限を制限してほしいと訴えていたにもかかわらず、オバマ政権は真逆のことを実行した。
オバマ政権は、米国家安全保障局(NSA)が世界中で傍受された生の個人データをほかの政府諜報機関と共有できるようにする規定を承認した。
つまり、The New York Timesが報じているように、米中央情報局(CIA)や米麻薬取締局(DEA)といったほかの多くの政府諜報機関も、電話や電子メール、そのほかの個人データなど、外国のネットワークや衛星通信から傍受および収集された生のデータにアクセスできるようになる。
今回の規定の変更により、監視網でデータを収集されるかもしれない膨大な数の米国人のプライバシーを犠牲にして、政府はこれまでより簡単に潜在的テロリスト攻撃を実行前に検知し防げるようになると言われている。
米国家情報長官のJames Clapper氏はオバマ政権の末期に、編集済みの非機密文書の公開という形で、今回の規定の変更を発表した。
計17の政府機関が令状なしで米国人のデータにアクセスできるようになるが、「法執行の目的で」そのデータにアクセスすることは認められていない、と編集済みの規定には書かれている。
この新しい規定は、Trump氏の大統領就任のわずか数週間前に、米司法長官のLoretta Lynch氏によって承認された。
大統領選挙後、Trump氏がさまざまなデータ収集プログラムを悪用するのではないかと懸念の声が上がる中で、プライバシー擁護団体はオバマ政権に対し、ホワイトハウスを去る前に米国の監視機関を縮小するよう求めていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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