操縦しなくてもユーザーを自動追尾して撮影し続ける自撮りドローン「Lily Camera」の発売に向けて奮闘していたLily Roboticsだが、ついに量産を断念してしまった。同社が1月12日、公式ブログへの投稿で明らかにしたもの。購入予約などを通じて資金を確保していたが、量産実行前に尽きたという。前払いした人には返金する予定。
Lily Cameraは、サイズ26.1×26.1×8.18cm、重さ1.3kgのクアッドコプター。付属の追尾装置を身に着けたユーザーの動きに合わせ、自動的に飛行してくれる。面倒な操縦が必要なく、空中に放り投げるだけで使えるため、ハンズフリーで自撮りできる。
防水性を備え、雨や雪のなかでも飛ばせる。スキーやスノーボードのようなウィンタースポーツ、ウィンドサーフィンやヨットなどのウォータースポーツをダイナミックな映像でとらえることも可能だ。性能が魅力的であることに加え、側面から見るとプロペラと光るLEDの形がニコニコしているようすを表現したアスキーアート(AA)と似ていることもあり、話題になったらしい。
量産断念を伝えたブログによると、Lily Cameraの開発そのものは順調に進んでおり、着実に品質を向上できていたそうだ。しかし、集めた資金は減る一方で、量産ラインを動かすことが不可能な状況に陥ったとしている。
返金は、60日かけて実施していく計画。購入予約の際に使ったクレジットカードなどに払い戻すので、顧客側の返金手続きは不要。該当カードをすでに使っていない場合は、PayPalや小切手などで返金されるため、申し込みフォームに必要事項を記入して送信する必要がある。
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