1月3日~1月9日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
Appleは企業買収について、さほど消極的な企業ではない。
これまでインパクトが大きかったのは、P.A. Semiの買収によって自社でデザインしたARMプロセッサ「Aシリーズ」をiPhone/iPadに搭載できるようにした点だ。これにより、モーションコプロセッサの内蔵やセキュアエレメントの搭載、グラフィックス性能の飛躍的な向上など、iPhoneの中核を担う性能を実現できるようになった。
加えて2016年、Apple Watchに搭載されるS2プロセッサ、AirPodsやBeats製品に内蔵されるW1プロセッサ、MacBook ProのTouch Barモデルに採用されたT1プロセッサなど、カスタムチップが数多くリリースされ、今後もデバイスに合わせたプロセッサを用意していくことが考えられる。
また、Siriも2010年に同名の企業を買収して実現した重要な機能だ。2012年に買収したAuthenTecは、指紋認証機能Touch IDの実現に役立っているとみられる。このほか、LocationaryやEmbarkといった地図系のサービスは、Google Map以降のAppleマップの改善や充実として効果が現れ、2014年にBeatsを買収し、音楽ストリーミングサービスApple Musicを立ち上げている。最近では、人工知能関連企業Turiを買収した。
こうした買収企業の従業員は、Apple本社のキャンパスに行く場合もあれば、米国ベースであればサンフランシスコ市内にあるオフィスに勤務することもある。他のシリコンバレー企業と同様、優れた技術と人材を取り入れて、既存製品を改良していく手法を採っていることが分かる。
秘密主義とも言われるAppleにも変化がある。どちらかというと買収して取り込んだり、自前で実現することが多いように見える企業だが、人工知能に関する論文を発表したり、中国のタクシー配車アプリ「滴滴出向」へ出資したりと、さまざまな動きを見せるようになった。
ソフトバンクのビジョンファンドに対する10億円の出資についても、投資に対するリターンを求めるというよりは、製品の工場にスピーディーに直結させることを目的としているように感じられる。
ソフトバンクはARMを買収している。将来のデバイスを考える際、そのソフトバンクと強調して取り組める環境が作れる点は、Appleにとって有利に働く可能性が高い。今後ファンドがどのような活動を展開するのか次第ではあるが、Appleの参画によって、より重要度が高まったと言えるだろう。
アップル、ソフトバンクの10兆円規模ファンドへの出資計画を認める(1/5)Appleは米国時間1月5日に、年末年始のApp Storeに関するデータを発表した。
これによると、2016年に開発者は200億ドル以上の収益を挙げ、この数字は40%増となった。また、開発者の累計利益は2008年以降、600億ドルを超えている。
2016年12月の売上は30億ドルを超え、ホリデーシーズンとして過去最高を記録した。スーパーマリオランはクリスマス当日、元日の両日で最もダウンロードされたアプリとなっており、2016年のダウンロードトップ10にも入ったという。なお、最もダウンロードされたアプリはPokemon GOだった。
App Storeのビジネスは、販売したiPhoneを活用してもらい、次もiPhoneを選んでもらうために重要だ。同時に、Apple第2の収益源になりつつある。2017年は、App Storeを含むサービス部門により注目していくべきだと考えている。
アップルの「App Store」、元旦に1日当たりの売上高が過去最高を記録(1/6)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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