DEGジャパンは12月14日、「映像コンテンツ デジタル配信セミナー2016」を開催した。映像配信サービスの現状を解説するとともに、今抱える課題などについて話した。
DEGジャパンは、映像コンテンツメーカーと映像機器メーカーで構成される業界団体。「DEGジャパンアワード/ブルーレイ大賞」などを運営している。デジタル配信セミナーは2015年から実施しており、デジタル配信の利便性を共有することで、ユーザーに最新情報を届けることを目的としている。
セミナーでは、野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 放送・コンテンツグループマネージャーの三宅洋一郎氏が登壇。有料動画配信サービスの利用率は徐々に増え、過去1年間の利用経験率は、2016年7月に13.6%にまで上ったとした。
利用者は男女ともに30代が中心で、利用しているサービスの種類は、SVODと呼ばれる定額制見放題が最も高い結果となった。
劇場公開作品やDVD、BDソフトレンタルとは、とかく競合と見られてしまう映像配信サービスだが、ユーザーは、映画館、DVD、BDソフトの購入、レンタルなども積極的に行っている人が多く、映像配信サービス未経験者に比べ、いずれの利用率も高いことが証明されている。
今後については、各種サービスにおけるオリジナルコンテンツの制作が、利用者をひきつけ加入者増につながる施策の1つとして紹介。また、普及が進みつつある4Kテレビに関しては、4K機器保有者は有料映像配信サービスの経験者が多く、これはVR機器においても同じことが言えるとした。
一方「今日から始めるデジタル配信」をテーマに講演をしたジャーナリストの西田宗千佳氏は、ダウンロード販売の「EST」、視聴期限などを設けディスクレンタルのような視聴形態に近い「TVOD」、月額見放題と呼ばれる「SVOD」という、映像配信サービスの種類について解説した。
なかでもESTとTVODについては、利用サービスの幅が広がり非常に便利になってきている現状を説明。利点として、スマートフォンやPCだけでなく、テレビでも視聴できること、通信回線さえあれば複数の機器でも見られること、作品によってはディスクレンタルや販売よりも早いタイミングで配信されることなどを挙げた。
また、ディスクを購入すると「配信作品」もあわせて楽しめる「MovieNEX」などのサービスに触れ、ディスクとデジタルの両メディアが入手できる利便性を話した。
便利に利用できる映像配信サービスだが、その一方で普及を阻むデメリットを抱えていることも事実。西田氏は「PCやスマホなど画面上の『お店』は狭く、作品を探しにくい。レンタル店などで、歩きながらみたい作品をみつけるような探し方が難しい」と、検索性についてのデメリットを指摘した。
この部分を払拭するには、メディアでの紹介など導線の確保が必要とし、各種サービスを網羅して作品検索などができる「映画ドットコム 映像配信検索」、「JustWatch」、「比較情報.com 動画配信サービス」などのサービスを紹介した。
今後については「いかに入口を広げ、みたいものがあるかを知ってもらうこと。また公式のサービスがいかに安心に使えることを知らしめることが重要」とした。
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