VRアプリ作成ツール「InstaVR」を提供するInstaVRは12月20日、独自開発の新技術による超高精細3Dキューブマップ360度画像のサポートを開始すると発表した。また、オートデスクの3Dキューブマップ360度画像が出力できる製品との互換性の提供も開始した。
InstaVRは、ウェブベースのVRを作成して配信し、分析までできるツールソリューション。VR体験を360度(全天球)画像・動画を使って作成し、スマートフォン(iOS、Android)やVRヘッドセット「Gear VR」、ウェブなどに配信できる。利用者の注視点を同梱のヒートマップで分析して、体験を改善することも可能だ。
同社によると、これまでモバイルVRで扱える360度画像の最大解像度は、4K(4096ピクセル)程度が限界とされており、没入感を妨げる要因になっていたという。そこで、4Kの12倍にあたる48K(4万9152ピクセル)の超高精細3Dキューブマップ360度画像をモバイルVRアプリに利用する新技術を開発・実用化し、InstaVRの新機能として実装した。
さらに、3Dキューブマップ360度画像を出力可能なオートデスク製品との互換性も実現。3Dキューブマップ新技術とオートデスク製品との互換性により、InstaVRユーザーは、3DCGを使用した高精細なVRアプリを作成できるようになるという。
360度カメラなどで撮影される360度全天球パノラマ画像には、「画像の底部と頂部に歪みが発生してデータ量が増えてしまう」「データ量が立方体よりも数十倍大きい球体に貼り付ける必要がある」「画像が一連なりになっているため切り出しが難しい」といった問題があった。この問題を解決するのが、立方体型にデータを配置した3Dキューブマップ360度画像だという。
オートデスクは、Autodesk A360をはじめ、Autodesk 3ds max、Autodesk Mayaなど、多数の3Dキューブマップ360度画像の出力機能を備えた製品を提供している。しかし、3Dキューブマップ360度画像を直接読み込めるVRアプリ製作ツールがなく、3Dキューブマップ360度画像を使った高精細なVRアプリを作成するには、コストや数週間以上の工数が必要になっていた。
今回、InstaVRが超高精細3Dキューブマップ360度画像の直接読み込みに対応したことで、オートディスクユーザーは、オートデスク製品を使って作成した3D資産を3Dキューブマップ360度画像として書き出すだけで、InstaVR上でシーン間の移動や空間への情報埋め込み、BGM、ナレーションなどのインタラクティブ機能を追加し、ワンクリックでiOSやAndroid、Gear VR、ウェブなどのVRプラットーフォームへと配信できるようになった。
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