Appleが四半期ごとにどれだけの製品を更新し、その結果どれだけの売り上げを得ているかを考えると、アナリストはAppleを大いに評価していると思われるかもしれない。だが、一部のアナリストは、「iPhone」の粗利益率が低下していることに懸念を示している。
iPhoneの粗利益率は2009年には57.7%だったが、そこからほぼ一直線に下がり続け、現在では40.8%になっているとBernstein Researchのアナリストは指摘する。
2018年までには、iPhoneの粗利益率は39%にまで低下すると予想されている。競合他社であれば、これでも喉から手が出るほど欲しいような数字だが、Appleにとっては問題だとアナリストらは考えている。
問題は2つの要素からなる。新しいiPhoneの製造コストが上昇していること、そして消費者に敬遠されずに販売価格を引き上げるのが困難なことだ。
Bernstein ResearchのアナリストToni Sacconaghi氏は、次のように述べている。
「『iPhone 8』のリリースが近づくのに伴い、粗利益率はさらに大きな問題になる可能性があると考える。iPhone 8の新しいフォームファクタ、有機EL(OLED)ディスプレイ、および機能の拡大(ワイヤレス充電)によって、iPhoneの部品構成が膨らむのは確実だからだ。その結果、2018会計年度には、iPhoneの価格をさらに上げなければ、粗利益率が圧迫される可能性がある」
iPhoneの製造コスト上昇は避けられない。
それに加え、iPhoneの人気の高さに反してAppleが「iPhone 7」の需要を低く見積もったことが問題の一因となっている可能性があるとして、Morgan StanleyのKaty Huberty氏は次のように述べている。
「年次報告書を見ると、Appleが需要を低く見積もったために、供給の増加にともなって短期利益に悪影響が出ている可能性が考えられる。またこれは、AppleがiPhone 7の需要を控えめに予測したことを示唆するものとみられる。初期の需要が予想を上回ったことを受け、Appleはサプライヤへの発注を増やし、製造ラインの増強に費用を投じている。それが12月に逆風をもたらすことになるだろう」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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