英国で新たな監視法が成立へ--「民主主義史上、最も強烈」との批判も - (page 2)

Zack Whittaker (ZDNET.com) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2016年11月21日 10時39分

  Open-Xchangeの調査によると、すべての人がプライバシーに対する基本的権利を有していると考えている人の割合は、英国では74%だった。そのプライバシーが、この法案によってほぼ完全に損なわれようとしている。

 だが、この法案には「ダブルロック」システムのような歯止めがあるため、大臣と、中立な立場の司法委員とが捜査令状を執行する決定に同意する必要がある(ただし、ある上院議員は、そうした主張に異議を唱えた)。

 新たに任命される調査権関連の委員も、権限の行使を監視する。

 大騒ぎしたものの、野党は重要な修正案を精査せず、最終採決を棄権した。Killock氏は先ごろ、野党の労働党は「政府の責任をまったく問わずに」時間を過ごしていると述べている

 一方、政府は、法案をめぐる議論の多くを軽んじてきた。この法案はまったく新しいものではなく、時代後れになった古い「調査権限規制法」(RIPA)を手直ししたものだと一貫して主張してきたのだ。2000年に施行されたRIPAは、大量のデータの収集やネットワークへの侵入などの行為を、秘密裏に実行したり判断したりする新たな権限を「合法化」するものだった。このような行為は、米国家安全保障局の契約職員だったEdward Snowden氏による内部告発で明らかにされた。

 プライバシー擁護団体Privacy Internationalによる訴訟のおかげで初めて、こうした活動の多くは可能になった。Privacy Internationalは、このような隠密活動を公にするのを推進する一方で、その活動が合法である理由の説明を急ぐよう政府に迫った。

 この法案は、数週間以内にエリザベス女王の裁可によって承認される予定だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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