非IT業種でも「使っていない=遅れている」という存在に--ChatWork・山本代表インタビュー - (page 2)

弁当注文からローカル企業の紹介まで“なんでも”対応する「ChatWorkコンシェルジュ」

――「ChatWorkコンシェルジュ」と「エンタープライズプラン」の提供を始めましたね。まずはChatWorkコンシェルジュの方から、どういったサービスなのか改めて教えてください。

 ChatWorkコンシェルジュは、我々スタッフがコンシェルジュという形で、チャットワークを通して、会社と会社をつなぐお手伝いをさせていただくサービスです。チャットワークは11万6000もの企業が使っていて、知り合い同士はもちろん、社内や取引先同士もかなりの割合がチャットワークを使うような状況になってきました。そんな多くのチャットワークのユーザー企業のなかには、誰かにとって便利なすばらしいサービスがたくさんあるはずです。

 チャットワークを使っている人と話をしてみると、チャットワークを使っている人とはマインドが合うし、話が早いと言うんです。新しいことにチャレンジしてより生産性を高めようとか、売上を上げようというマインドになれるので、チャットワークを使っているユーザーとつながれると最高だと。それを僕らがお手伝いして、よりつながりやすくできないかと考えました。

 僕らとしても、チャットワークでのやりとりが増えて、より便利に使っていただけるようになると、チャットワークとしてのバリューが上がります。ChatWorkコンシェルジュはそこを後押しするようなサービスですね。

――具体的にはどのような使い方ができるのでしょうか。

 基本的にはなんでも相談してください、というものです。実際の事例としては、チャットワークを使っている滋賀の工務店を紹介してください、と依頼されたことがありました。たまたまチャットワークの導入事例として取り上げた、効率的な人員管理をチャットワークで実現している会社を紹介したら、その後無事に成約したようです。

 他の便利な使い方としては、弁当を発注するというのがあります。通常は電話やFAXで注文しなければなりませんが、チャットワークなら会議中で電話できないような場面でも、PCからチャット経由で注文できたりします。宴会や会食の予約に利用されていたりもしますね。

 また、中小企業を対象にした政府による各種助成金について、自社にどんな助成金がマッチするか調べてもらう、というような使い方もあります。申請作業が大変なら、それを代行する会社を紹介することもできます。これはめちゃくちゃニーズが高かったですね。


「ChatWorkコンシェルジュ」では、“秘書”的なサービスも提供したいとする

 あとは秘書的なサービスもできると思っていまして、リサーチやスケジュール管理、会計、ウェブサイトの運用などを代行する企業を紹介することも考えられます。多くの業界で人手不足が深刻のようで、そこを我々がリモートで支援していく。そうすることでユーザーがさらにチャットワークに価値を感じていただけるのではないかと思っています。

 今はコンシェルジュ専属のスタッフが1人で対応していて、問い合わせがない時は他の業務を担当する形で運営しています。対応方法がチャットなので、電話などと違って複数の依頼にも対応しやすい。タスクを同時並行で進められますし、我々としてもコストを低く抑えられます。

――チャットワークでは相談費用や手数料は取らないということですが、御社としてのメリットはどこにあるのでしょうか。

 我々としては、ユーザー(企業)と企業をつなぐ、というスタンスで、無料で対応しています。これによってチャットワークに対する満足度を高める狙いもありますが、場合によっては紹介した企業からのバックマージンも、わずかながらあったりもします。ただし、メインはあくまでもユーザーの満足度向上ですね。

 企業とやりとりするためのグループチャットが増えて、14個以上になった場合は有料プランに切り替えることになります。無料プランで便利に使っていただき、グループチャットの数が上限に達したら有料会員になっていただく、というのも目的の1つですね(笑)。

――ChatWorkコンシェルジュをスタートしてから、引き合いはどれくらいありましたか。

 最初にリリースした時は1日に何百件も来ましたが、その後は落ち着きました。継続的には依頼いただきますが、「なんでもできますよ」と言うと何を依頼すればいいのか分からないという問題が発生しています。そこで、現在は「コンシェルジュの便利な活用方法」として、先ほどお話した弁当の注文、宴会予約、助成金調査、ウェブ制作など、いろいろな切り口での活用方法をウェブで紹介し始めたところです。

――新たな契約プランである「エンタープライズプラン」についても教えてください

 チャットワークには無料の「フリープラン」と、個人事業主に使っていただけるグループチャット数の制限がない「パーソナルプラン」、組織管理もできる「ビジネスプラン」がありました。これらはIDとパスワードによるシンプルなログイン方法ですので、大企業からは管理機能やセキュリティをもっと強化したいというニーズが生まれてきました。そこでリリースしたのが「エンタープライズプラン」です。

 エンタープライズプランでは、オフィス内のネットワークからしかアクセスできないようにしたり、指定のモバイル端末からのみアクセス可能にするような設定ができます。また、社外ユーザーとつながれないようにする、といった制限を加えられる以外に、シングルサインオン、利用履歴のログ出力なども可能です。

 SLAについても定めていて、サーバ稼働率を99.9%としていますが、この3年間はほぼ止まっていません。Amazon Web Servicesの障害で数分止まったことはありましたが、僕らのシステムに起因する大規模障害はないですね。

 導入の割合は、ビジネスプランとエンタープライズプランとで2対1くらいです。大企業だけでなく、中小企業でもエンタープライズプランを導入されるケースが見受けられるのも面白い傾向です。たとえば士業のように4、5人程度の小さな事務所でも、エンタープライズプランの方が安心感がある、として使っていただく例が多いんです。

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