スマホで野菜の成長記録も--沖縄セルラー、カメラを搭載した水耕栽培キット「やさい物語」

坂本純子 (編集部)2016年11月15日 14時00分
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  やさい物語の試作品。外装は高級感のある塗装に変わるという。
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 やさい物語の試作品。外装は高級感のある塗装に変わるという。

 沖縄セルラー電話は11月15日、KDDI総合研究所の技術協力を得て、IoTを活用した家庭用の水耕栽培キット「やさい物語」を2017年2月下旬から発売すると発表した。12月中旬から予約を開始する。定価は3万4800円(税別)、発売記念価格として初回5000台を2万9800円(税別)で販売する。

家庭用の水耕栽培キット「やさい物語」
家庭用の水耕栽培キット「やさい物語」

 やさい物語はカメラ機能を搭載しているのが特徴だ。カメラ機能を搭載し、スマートフォンと連携できる水耕栽培キットの発売は日本初という。1日3回程度、キットの中の野菜を自動で撮影し、Wi-Fiでサーバへ自動で送信する。ユーザーは、スマートフォンアプリ(iOS/Android)を通じて外出先でもキット中の様子を見ることができ、成長過程を楽しみながら野菜を栽培できる。いずれはタイムラプスで成長過程を見られるようにすることも考えているという。

 さらに気温、水位などの測定データもアプリで確認でき、キットの中の気温や水位に異常があった場合はスマートフォンにアラート通知を送信する。LEDの点灯時間の制御もアプリから行える。

スマホアプリで温度の状態、その日の写真や成長記録なども見られる
スマホアプリで温度の状態、その日の写真や成長記録なども見られる

 やさい物語のサイズは、幅480mm×高さ332mm×奥行き331mm。虫が入りにくいように扉を付けた半密封タイプで、LEDを搭載する。

 育てられる野菜は、リーフレタス、ベビーリーフなどの葉物野菜やハーブ、ミニトマトなど。沖縄セルラーが家庭で育てやすい品種を選び、種や水耕栽培用の液体肥料、スポンジを含めた家庭用の栽培キットとして提供する。価格は検討中だが、3カ月分で1000円程度を予定しており、「他社価格よりもだいぶ安い」(沖縄セルラー電話 ビジネス開発部 開発グループ 植物工場プロジェクトリーダー 課長の加賀武史氏)という。

沖縄セルラーが水耕栽培キットを販売する理由

 なぜ沖縄セルラーが水耕栽培キットを販売するのか。実は、2013年から社内ベンチャーとして、沖縄の産業貢献を目指し植物工場事業をスタートしていたという。沖縄は、特に夏場において葉野菜の9割を沖縄以外からの輸入に頼っているため、異常気象が起きると野菜の価格差が激しく、野菜不足になりがちという事情がある。気候に左右されない、水耕栽培による植物工場事業をスタートすることで、沖縄県の振興発展につなげたいという思いがあった。

虫が入りにくいように扉を付けた半密封タイプ
虫が入りにくいように扉を付けた半密封タイプ

 沖縄セルラー電話 執行役員 ビジネス開発部長の國吉博樹氏は、「おかげさまで3年かけてしっかりと栽培のノウハウができた。そのノウハウを生かし、家庭でもっと気軽に美味しい野菜がつくれないかと約1年前からKDDI総合研究所と開発をスタートし、やっと製品化するめどがついた」と説明した。

 味にも自信があるという。「えぐみがなくて食べやすくやわらかい。事業化するとき、保育園に持ち込んで試食をしてもらった。最初は野菜が嫌いで食べられないという声もあったが、何人かが食べ始めて完売になったほど。『苦みがない、お菓子みたい』という声があった。子どもたちが正直な気持ちでえぐみを感じずに食べられるもの」(國吉氏)と意気込む。

 収穫は、リーフレタスでおよそ1カ月程度。ハーブ、バジルだと35日程度で、野菜によって異なるという。「水やりは1週間に1回程度。育ててみると、楽しいし手間も掛からないし、子どもが興味をもちやすい。味は確かなもの。ぜひ家庭でつくってみてほしい」(加賀氏)。

左から、KDDI総合研究所 研究主査 斉藤和広氏、沖縄セルラー電話 執行役員 ビジネス開発部長の國吉博樹氏、沖縄セルラー電話 ビジネス開発部 開発グループ 植物工場プロジェクトリーダー 課長の加賀武史氏
左から、KDDI総合研究所 研究主査 斉藤和広氏、沖縄セルラー電話 執行役員 ビジネス開発部長の國吉博樹氏、沖縄セルラー電話 ビジネス開発部 開発グループ 植物工場プロジェクトリーダー 課長の加賀武史氏
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