ニコンは11月8日、業価値向上に向けた収益力強化と体質改善を目的として、構造改革を実施すると発表した。同日開催した取締役会決議を経て決定したもの。
経営に対する基本方針として「中期経営計画 2015 年度版」を打ち出し、平成30年3月期に売上高9900億円、営業利益650億円を達成することを目標としてきた。しかし、半導体装置事業の黒字化を実現できず、加えて映像事業は想定以上に市場縮小が進行。さらには為替の影響などにより、現行計画の継続は将来の収益構造のさらなる悪化につながるとの判断に至ったという。
ニコンは、売上成長を志向した戦略から、収益力強化を志向する戦略へ方針転換する。その中には、人員削減も含まれる。
半導体装置事業、映像事業の事業戦略見直し、グローバル規模での生産・販売・R&D体制の最適化および本社機構を含めた組織・人員の適正化を実施するという。
組織と体制を見直し、半導体装置事業では1000名規模、映像事業では国内350名規模、本社機構では本社部門とその他の部門で配置転換等を含む200名規模の人員適正化で固定費を削減する考えを示した。
これに伴い、国内で募集人員を1000名程度とする希望退職の募集を実施する。一時費用として480億円を計上するが、平成30年3月期における固定費を200億円削減できるという。募集対象、優遇制度などの詳細条件は正式に決定次第、発表するとしている。
また、構造改革の一環としてニコンとグループ各社が保有する光学部品の生産機能を当社の連結子会社である「株式会社栃木ニコン」に集約することも発表している。
具体的には、コアテクノロジー本部 製造技術統括部 レンズ部、および株式会社栃木ニコンプレシジョン レンズ部が行っている事業を栃木ニコンが承継する吸収分割をし、株式会社黒羽ニコンを消滅会社として、株式会社栃木ニコンを存続会社とする吸収合併を行う。
組織再編により、グループ全体で光学部品の生産技術の強化を図ると同時に効率を高めた生産体制を構築するとしている。
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