そして今回、新たな「Freeプラン」の提供が開始された。従来のFreeプランは、月間に1時間しか音楽を再生できなかったため、日常的に使いたいユーザーは有料プランに移行する必要があった。新たなFreeプランでは、この時間が20時間まで延長されたため、たとえば通勤時間に30分だけ聴くといった使い方であれば、無料でほぼ毎日視聴できるようになる。また、これまでFreeプランでは非対応だったプレイリストの作成・公開も可能になった。
ただし、Freeプランでは、Standardプランのように1曲丸ごとではなく、90秒間(1分半)まで聴くことができる「ハイライト再生」が適用される。多くの楽曲で1番のサビが流れるまでの秒数だ。「無料プランだから聴ける時間が制限されている」といえばその通りだが、短時間でさまざまな楽曲を楽しめるという利点もある。また、フェードインとフェードアウトを“ぶつ切り”にせず、自然なクロスフェードの形で次の楽曲へ移行するため、聴いていても違和感は少ないという。この機能はStandardプランでもオンオフを選べる。
ちなみに、競合サービスである「Spotify」の無料プランと比較した場合、Spotifyはフル尺だがオンデマンド再生ができない。その一方でAWAはハイライト尺だがオンデマンド再生ができるという違いがある。また、Spotifyでは広告が表示されるが、AWAでは一切表示されない。
実際に、テストユーザーに刷新したFreeプランを先行提供したところ、楽曲がFavorite(お気に入り)に登録される回数が増えるなど、よりアクティブに使われるようになったという。ここから、さらにフル尺での再生やオフライン再生、また再生時間を気にすることなく聴きたいという人には、Standardプランへのアップグレードを促したい考えだ。なお、新たなFreeプランの提供にともない「Liteプラン」の提供は11月6日をもって終了した。現在、同プランに加入しているユーザーは2017年1月6日までは利用できる。
「ネットサービスは、一番クオリティが高いものが一番ユーザーを集めると僕は信じているが、どうしても有料サービスなので広がりが少し弱いところがある。アップルやグーグル、LINEなど、強力なプラットフォームを持っているところに対して(集客力などで)弱いという課題を、今回のフリープランで補っていきたい」(藤田氏)。
同社では、音楽聞き放題サービスのAWAに加えて、動画見放題のインターネットテレビ局「AbemaTV(アベマティーヴィー)」を運営している。これらの“使い放題”サービスが持つ可能性について、藤田氏は「全く新しいプラットフォームを普及させるには何年もかかるため、中長期勝負だと思っている。サブスクリプションを一度体験すると元には戻れないほど便利だが、世の中の人々はそう簡単には変わらない」と冷静に見ている。今後も、さまざまなアプローチで魅力を伝えることで、消費者に広くサービスを浸透させたいとしている。
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