サイバーエージェント傘下のAbemaTVは11月2日、同社が運営するインターネットテレビ局「AbemaTV(アベマティーヴィー)」が、累計1000万ダウンロードを超えたことを発表した。2016年4月11日の本開局から、約6カ月半での達成となった。これを記念して、世界中から注目されている楽曲「PPAP」を歌うピコ太郎を起用したテレビCMを、11月16日から放送する。
「マンスリーアクティブユーザーも600万人近くいるので、スマホのホーム画面上で死んでいるサービスにはなっていない。ダウンロード数をそこまで意識しているわけではないが、先行サービスとしてちゃんと機能している」――。サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏は、急成長する同サービスをこう評価する。
ユーザーは20代が中心で、35歳以下の利用者が全体の6割を占めるという。現在は約30チャンネルを展開しており、約70のオリジナルレギュラー番組を放送。本開局からこれまでに放送した累計番組数は10万超、総視聴数は23.2億回を超えるという。
チャンネル視聴数のランキングを見ると、1位「深夜アニメチャンネル」、2位「アニメ24チャンネル」、3位「なつかしアニメチャンネル」、4位「AbemaSPECIALチャンネル」、5位「AbemaNewsチャンネル」と、同社が当初から力を入れていたアニメ関連のチャンネルが上位を独占していることが分かる。
ただし、今後は各チャンネルのクオリティをさらに上げることで、アニメ以外のチャンネルも幅広く視聴してもらえるプラットフォームにしていきたいと藤田氏は話す。「最近はドラマも伸びているし、大黒柱であるNewsチャンネルも充実させていく。何かあったらAbemaTVをつける、何かなくても惰性で開くようにしていきたい」(藤田氏)。
10月27日に発表された、サイバーエージェントの2016年9月期(2015年10月~2016年9月)の決算では、AbemaTVを展開するメディア事業は83億円の赤字であることが明らかになったが、藤田氏は1000万ユーザーを超えた現在も「マネタイズは1ミリも考えていない」と言い切る。広告の販売も始めてはいるが、引き続きユーザー獲得などの投資に集中する方針だという。
藤田氏は、いかにユーザーの視聴習慣を変えていくかが重要だとし、より立ち上げやすく、使い勝手のいいサービスにする必要があると話す。直近では「Chromecast」や「Amazon Fire TVシリーズ」「Apple TV」などに対応し、テレビなどの大画面でも視聴できるようにした。今後は、縦画面での再生に対応するほか、アプリのバックグラウンド再生も可能にする予定だという。
また、9月には携帯キャリア3社が20Gバイトの大容量プランを発表した。同プランに切り替えるユーザーが増えることで、Wi-Fi環境以外でもAbemaTVを視聴するユーザーが増える可能性は高く、サービス成長の追い風になりそうだ。この点については藤田氏も「(大容量プランは)相当よさそう。この動きはありがたい」と期待を寄せた。
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