スマートフォン界隈では、小さいけれど影響の大きな変化が起きている。「USB Type-C」(「USB-C」とも呼ばれる)は、スマートフォンメーカーの多くが採用し始めた充電ポートの規格だ。ともかく言えるのは、スマートフォン、タブレット、ノートPCやその周辺機器向けのUSB規格は良い方向に変わるということだ。
USB-Cは、形状に関する規格だ。例えば、あなたがAndroid端末ユーザーであれば、以前の充電ポートに接続するプラグの形状の規格は「USB-B」で、PCに接続する方の平らなプラグは「USB-A」と呼ばれる。Appleの「Lightning」ポートは完全な独自仕様で、見た目はUSB-Cに似ているが互換性はない。
USB-Cはリバーシブルだ。つまり、ほとんどのAndroidスマートフォンに付いているUSB-Bの「Micro-USB」プラグとは異なり、向きを気にせずポートに差し込める。逆向きに差そうとして失敗し、ぶつぶつ言うこともなくなる。
USB-Cはあらゆる電子機器に関連してくるので、USB-Cの充電ケーブルは、すぐに他のデバイスと共有できるようになる。ちょっとしたおまけだ。
USB-Cのポートは、別の規格である「USB 3.1」もサポートする。これが話を少しややこしくする。「USB 3.1」標準をサポートするケーブルは、スマートフォンの充電だけでなく、データや動画の高速転送にも使える。スマートフォンを他のデバイスの充電に使うことも可能だ。
ところが、USB-Cポート搭載のスマートフォンはこうしたUSB 3.1の便利な機能を自動的にはサポートしないのだ(うぇぇ)。今のところ、プラグの形状はUSB-C対応でも、それ以外の機能は使えないものがほとんどだ。USB-Cポートのスマートフォンであれば、規格が有効になれば、USB 3.1の他の機能もそのうち使えるようになる。
USB-CポートのスマートフォンでUSB 3.1のすべての機能を使うには、OSが充電以外の機能もサポートする必要がある。GoogleのモバイルOS「Android 6.0 Marshmallow」および「Android 7.0 Nougat」はUSB-CとUSB 3.1をサポートする。それでも、USB 3.1の機能を使うには、デバイスメーカーがその機能を有効化する必要がある。
Googleの新しい高機能スマートフォン、Pixelおよび「Pixel XL」はAndroid 7.0 Nougatを搭載しており、USB-Cの機能を使える。PixelシリーズのデバイスとノートPCをケーブルで接続したら、画面上のプルダウンメニューで接続方法──例えば、Pixelを充電するか、接続先のデバイス(この場合はノートPC)を充電するか、など──を選択する。
USB-Cに切り替えるということは、新しいケーブルを何本か確保し、外出の際には新しいケーブルを持ち歩くのを忘れないようにする必要があるということだ。また、手持ちの電子機器によって異なるポートのものが(当面)増え、異なるケーブルが必要になることも意味する。これはまだ精神的に解決できる苦痛だが、新しいスマートフォンと古いノートPCを接続するために多様なアダプターを買う羽目になったら面倒だ。
場合によっては、USB-C同士、USB-CとUSB-B、USB-CとUSB-Aの3種類のケーブルが必要となる。ほとんどのスマートフォンには購入時、こうしたケーブルは付属しない。
USB-Cの普及にはまだ少し時間がかかるが、既に2015年から採用が始まっており、(iPhoneを除く)ほとんどすべてのスマートフォンに行き渡るだろう。サムスンが2月に発表した「Galaxy S7」および「Galaxy S7 edge」は採用していないが、新しい規格は一般に、フラッグシップ端末にまず採用されるものだ(既に製造停止になった発火する「Galaxy Note7」はUSB-Cだった)。
今後、部品価格が下がるにつれ、ミッドレンジやエントリーレベルのデバイスでもType-Cが採用されていくだろう。英市場調査企業Kantar Worldpanelの米国支部で研究主任を務めるCarolina Milanesi氏は、Type-CはPCでも採用されるので、「すぐにすべての価格帯のスマートフォンに採用される程度に部品価格が低下するだろう」と語った。
iPhone以外のスマートフォンを購入して、そのデバイスのポートがUSB-Cだったら、以下のことを覚えておこう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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